英国と湾岸協力会議(GCC)諸国、自由貿易協定の交渉妥結

(英国、湾岸協力会議(GCC)、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

ロンドン発

2026年05月25日

英国政府は5月20日、湾岸協力会議(GCC)との自由貿易協定(FTA)の交渉妥結を発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます協定概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。同協定は2022年6月の交渉開始から約4年間を経て、同日、英国のクリス・ブライアント通商政策担当相およびGCCのジャーセム・モハメド・アル・ブダイウィ事務局長との間で合意に至ったもの。今後、署名手続きおよび双方の批准を経て発効される。

英国・GCC間の貿易総額は2025年に530億ポンド(約11兆6,600億円、1ポンド=約220円)に達し、GCCは英国にとって10番目の貿易相手国・地域だ。本協定の発効から10年後に、英国からGCCへの輸出品の約93%に対する関税が撤廃され、協定が完全に実施された場合、現在の輸出額に基づくと、年間5億8,000万ポンド相当の英国産品への関税撤廃が見込まれる。

品目別にみると、先端製造分野では、協定発効と同時に現在5%の関税が課されているターボジェットエンジンや航空宇宙部品の関税が撤廃される。同様に自動車の90%が関税撤廃となるほか、電気自動車や車載バッテリーは発効から10年後に関税が撤廃される。医療分野では、手術器具や放射線機器を含む医療機器が関税削減の恩恵を受ける。農産物・食品分野では、バターやチェダーチーズ、ビスケット、チョコレートといった英国産食品の輸出拡大に期待がかかる。一方、英国側は、豚肉、鶏肉、卵を除くGCC諸国からの全ての輸入品に対して関税の自由化を行うとしている。

同FTAの貿易円滑化措置に関しては、一定の要件を満たし、現物検査が不要な場合、全ての貨物について原則48時間以内、生鮮品は6時間以内に通関手続きを完了することに合意した。

英国政府の推計によれば、本協定はGCC諸国との貿易を19.8%増加させ得るとして、英国にとってインド、米国、EU、韓国に続く5つ目の主要な貿易協定として位置付けている(2025年5月7日記事参照)。

(森詩織、植松麗良)

(英国、湾岸協力会議(GCC)、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

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