ジェトロへの2025年度農林水産物・食品の相談傾向、関税措置の影響で米国関連が1位
(世界、日本)
農林水産食品部市場開拓課
2026年05月12日
ジェトロでは農林水産物・食品輸出相談窓口を設置し、農林水産物・食品の輸出を行う日本企業の相談を受け付けている。4月21日時点で集計したところ、2025年度(2025年4月~2026年3月)は同窓口に1万件近くの相談が寄せられた。相談内容の70%以上が「輸出入規制・関連手続き」に関するもので、「流通販売関連規制・規格」、「産業・市場」、「引き合い・企業情報」、「関税率・譲許表」の順だった。米国関税措置の影響で、関税率や関連手続きに関する相談が増加した(添付資料図1参照)。
2025年度の農林水産物・食品の輸出に関する相談の対象国・地域の実績と、財務省貿易統計に基づく2025年の農林水産物・食品輸出額(農林水産省)
を比較し、日本企業の輸出動向を分析した(添付資料図2、図3、表1参照)。
相談対象国・地域でみると、日本からの輸出実績(金額ベース)が最も多い米国(1位、2,762億円)に関する相談が全体の2割を占め、最も多かった。前年度に引き続き、米国食品安全強化法(FSMA)に関する相談が多く、加えて米国関税措置に伴う関税率に関する相談が寄せられた。
輸出実績では第7位のタイ(735億円)に関する相談が2番目に多かった(全相談のうち9.5%)。タイへの輸出実績は増加傾向(前年比17.1%増)で注目される市場であることに変わりなく、タイの輸入規制にかかるGMP証明書(食品の製造施設に関する証明書)や包装規制に関する相談や、頻繁に改正される法令や規制に関しての相談が増加していると考えられる。
輸出実績が第3位の台湾(1,812億円)は、相談実績(全相談のうち7.3%)でも第3位と、一定の割合を占めた。日本産食品の輸入規制撤廃(2025年11月25日記事参照)もあって、輸出実績(前年比6.4%増)、相談実績(前年度比1.7%増)ともに増加傾向だ。
輸出実績が第4位の中国(1,799億円)の相談実績件数(全相談のうち5.3%)は若干増加した。ALPS処理水に関連する輸入規制撤廃や日中関係の変化が影響したと考えられる。また、輸出実績が第6位のベトナム(954億円)は、新市場としての販路開拓や現地の輸入規制に関する相談が多く寄せられるなど、輸出実績(前年比10.6%増)とともに相談実績(全相談のうち5.1%、前年度比1.4%増)の増加が目立った。
そのほか輸出実績では上位10カ国に入っていないアラブ首長国連邦(UAE)(全相談のうち3.4%)やインド(全相談のうち2.1%)など新規市場への相談割合も増加傾向にあった。情勢不安もあるところ、さらなる農水産物・食品の輸出拡大には、輸出先の多角化が不可欠なため、これら地域も含めた新規市場への輸出拡大が期待される。
(古城達也)
(世界、日本)
ビジネス短信 a0d1192280ac5fdc





閉じる