中国とロシア、覇権主義への反対やパートナーシップ強化に関する共同声明を発表
(中国、ロシア)
北京発
2026年05月22日
中国の習近平国家主席は5月20日、北京でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談を行った。
習国家主席は会談で、2026年が「中国・ロシア戦略的協力パートナーシップ」樹立30周年、および「中国・ロシア善隣友好協力条約」締結25周年にあたると言及した。また、現在の国際情勢下において、国連安全保障理事会の常任理事国かつ世界の重要な大国である両国は、さらに質の高い全面的戦略協力によって、より公正かつ合理的なグローバル・ガバナンス体制の構築を推進するべきであるとした。そのほか、両国間においては、経済、貿易、投資、エネルギー、科学技術、人文、地方交流など各分野の協力が継続的に進展し、民間の相互理解もより強固になっていると指摘した。
会談後、両国は「中国とロシアによる全面的戦略協力のさらなる強化と善隣友好協力の深化に関する共同声明
」を発表した。主な内容は次のとおり。
- 両国は、覇権主義および一国主義に断固反対し、国連の権威および国際問題における中心的役割を断固として守る。また、国際法、主権平等および内政不干渉の原則に反する一方的・強制的、懲罰的、差別的な保護主義措置を非難する。また、両国は貿易における一方的制裁、二次的制裁の実施、関税やその他の制限措置の差別的運用に断固反対し、各国がWTOを中心とする多国間貿易体制を維持し、世界の産業・サプライチェーンの安定・円滑な運行を維持するよう呼びかける。
- 両国は、自動車、船舶、民間航空工業などの分野において協力を発展させるほか、デジタル経済、人工知能(AI)などの情報通信技術、越境EC、関連鉱物資源の開発などの分野における協力を継続的に拡大し、2国間協力の潜在力をさらに引き出す。
- 両国は、鉱物資源の共同開発やグリーン基準(注1)などの分野で積極的に協力を推進するほか、企業による石油・天然ガス、石炭、民生用原子力、再生可能エネルギー(グリーン電力証書を含む)などの分野における互恵協力の深化を支持する。
また、両国は、「中国とロシアの世界の多極化および新型国際関係の提唱に関する共同声明
」を発表した。同声明では、より公正かつ合理的なグローバル・ガバナンス体系を含む新型国際関係の構築を国際社会に呼びかけるとした上で、開放的・包摂的な互恵協力の堅持、安全保障は平等で分割できるものではないということの堅持、世界の文明および価値観の多様性の堅持などを主張した。
加えて、両国は、中国とロシアの長期的な友好関係および戦略協力の枠組みを定めている「中国・ロシア善隣友好協力条約」の延長も併せて発表した(注2)。
そのほか、中国外交部は同日の記者会見で、ロシアの一般旅券保持者に対する中国入国ビザ免除措置について、2027年12月31日までの延長を発表した(注3)。ビザ免除となる滞在期間は30日以内と定めた。
(注1)中国の李強首相は2025年11月22~23日に、南アフリカ共和国・ヨハネスブルクで開催された第20回G20サミットにおいて「グリーン鉱物資源の国際経済貿易協力イニシアチブ」を発表している(2025年12月8日記事参照)。
(注2)同条約は、2001年に当時の江沢民国家主席とプーチン大統領の間で締結され、2021年に習国家主席とプーチン大統領の間で5年間の延長が発表されていた。
(注3)中国は、2025年9月15日から2026年9月14日までを期限として、ロシアの一般旅券保持者に対するビザ免除措置を発表していた。
(西島和希)
(中国、ロシア)
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