三菱自動車、2028年半ばからフィリピンで新型ハイブリッド車の生産を計画

(フィリピン、日本)

マニラ発

2026年05月11日

三菱自動車は4月6日、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領および経済担当閣僚との会談後、フィリピン政府の電気自動車(EV)振興策である「EVインセンティブ戦略プログラム(EVIS、2021年5月25日付地域・分析レポート参照)」へ参加する意向を発表した。EVISは、フィリピン国内のEV産業の活性化を目的としており、68万人の雇用創出と1,200億ペソ(約3,120億円、1ペソ=約2.6円)の投資が見込まれている。

三菱自動車は、新型ハイブリッド車(HEV)について、2028年半ばからラグナ州サンタローサの工場で生産開始を計画している。さらに、同社は国内の電動化を支援するべく設備改修を含む追加投資を計画しており、国内サプライチェーンの拡大と地域における雇用創出が期待される。

三菱自動車の加藤隆雄取締役・代表執行役CEOは会合で、「フィリピンは長年にわたり、当社にとって最も重要な市場の1つであり、生産販売事業を展開してきた。フィリピン政府の協力のもと、EVISを通じてEVの普及と産業発展に貢献できることを光栄に思う。また、フィリピン経済のさらなる成長を支援できることをうれしく思う」とコメントした。なお、現地のミツビシ・モーターズ・フィリピン(MMPC)では、「包括的自動車産業振興戦略(CARS、2025年7月17日付地域・分析レポート参照)」の適用を受け、フィリピンで「ミラージュ」を製造している。

フィリピンのクリスティーナ・ロケ貿易産業相は4月8日、政府がEVISに基づくEVメーカー向けインセンティブ制度を策定中であり、今後3カ月以内に大統領令(EO)が発令される見通しだと明らかにした。政府はこれまで、「自動車産業における競争力強化のための再活性化プログラム(RACE)」をCARSプログラムの後継となる中核的な自動車インセンティブ制度として検討していたが、今後はEVISに重点を移すことを表明している(4月11日付「インクワイアラー」紙)。

背景には、中東情勢の影響による燃料費の高騰がある(2026年4月27日記事参照)。フィリピン自動車工業会(CAMPI)およびトラック製造業者協会(TMA)によれば、2026年3月のEV販売台数は3万9,000台を超え、前月の3万7,700台を上回った(4月21日付「マニラ・タイムス」紙)。CAMPIのホセ・アティエンサ会長は、「燃料費の高騰はEV志向を加速させるだけでなく、エネルギー効率の高い車両の実用性を改めて認識することにつながるだろう」と述べた。

(西岡絵里奈、アギラー・パールホープ)

(フィリピン、日本)

ビジネス短信 9ac08e1b11d1287a