米超党派議員、中国製などのコネクテッドカーの排除を求める法案を提出

(米国)

ニューヨーク発

2026年05月07日

米国上院のバーニー・モレノ議員(共和党、オハイオ州)とエリッサ・スロットキン議員(民主党、ミシガン州)は4月29日、安全保障上の敵対国(以下、対象国)とされる中国、ロシア、北朝鮮、イランに関連するコネクテッドカーおよびその関連ソフトウエアとハードウエアの輸入、製造、販売などを広く禁止する「コネクテッドビークル安全保障法(Connected Vehicle Security Act of 2026)」の法案を超党派で提出したPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

同法案では、コネクテッドカーが、位置情報や個人情報などの膨大なデータを収集・送信し、遠隔操作が可能な特性を持つことから、外国の敵対勢力による車両を通じた情報収集やサイバー攻撃、重要インフラ破壊のリスクをもたらすと指摘している。提出された法案には具体的に、(1)原産国や設計国が対象国の場合、あるいは対象国の事業体が15%超の支配権を持つ製造者が生産する場合において、2027年1月1日以降、当該のコネクテッドカーの輸入、製造、販売などを禁止する、(2)対象国に関連するソフトウエアの車両への組み込みも同様に2027年1月1日以降禁止する、(3)車載用ハードウエア単体については、2030年1月1日以降輸入、製造、販売などを禁止する、(4)違反した場合には、1件につき最低150万ドルまたは取引額の5倍のいずれか高い方の民事制裁金を科す、ことなどが盛り込まれた。

中国を含むコネクテッドカーの米参入阻止のためには、すでに行政規制が先行しており、2025年3月に発効した最終規則により、中国(香港、マカオを含む)とロシアが関係するコネクテッドカーの米国への輸入・販売に対する規制(制限および審査制度)が導入されている(2025年6月11日付地域・分析レポート参照)。今回の法案は、同規制を立法化することで恒久化させ、より強化させることが狙いだ。

今回の法案提出にあたっては、ゼネラルモーターズ(GM)やフォードが支持を表明した(モレノ議員声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますスロットキン議員声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、いずれも4月29日)。また、4月30日には鉄鋼や自動車部品などを含む製造業関連の業界団体10グループが、ハワード・ラトニック商務長官らに宛てた書簡の中で、中国の非市場産業政策モデルは組織的な(米国への)挑戦であると非難し、参入阻止に対する措置を求めた。主要自動車メーカーが加盟する自動車イノベーション協会(AAI)のジョン・ボゼーラ代表兼CEO(最高経営責任者)も、「中国が世界の自動車メーカーを支配し、自動車業界における米国のリーダーシップを解体する計画があることは周知の事実だ」(オートモーティブニュース3月17日)と述べるなど、中国メーカーの米国市場参入を現実的な脅威として警鐘を鳴らしている。なお同氏は、ニューヨーク国際オートショーで開催されたパネルディスカッションで「中国に対する競争力を維持するためには、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直しにおいて、3国間合意の継続が極めて重要だ」との見方も示している(2026年4月1日)。

同法案の共同提出者であるスロットキン議員はメディアのインタビューで、ドナルド・トランプ大統領が5月中旬に中国の習近平国家主席との首脳会談を控えていることが法案提出の契機となったと述べた(NBCニュース、4月29日)。同会談の行方が注目されている。

(大原典子)

(米国)

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