中東情勢の混乱の中、世界の航空貨物需要は4月に前年同月比4.0%増加、中東は18.2%減
(中東、アジア、アフリカ、世界)
調査部中東アフリカ課
2026年05月29日
国際航空運送協会(IATA)の5月28日付プレスリリース
によると、中東情勢の混乱の中、4月の世界の航空貨物需要量(国際輸送量)は、前年同月比4.0%増となった。アジアの空輸による貿易増加が寄与した。航空貨物輸送能力(容量)は0.4%減だった。
一方、中東地域の航空会社では、4月の航空貨物需要量が前年同月比18.2%減となり、全地域の中で最も低調な結果となり、輸送能力も前年同月比22.9%減と落ち込んだ。
IATA事務局長のウィリー・ウォルシュ氏は、「中東での軍事衝突による湾岸諸国の主要空港の混乱は、貿易ルートの再構築と主要回廊の輸送能力の制約となっている」とした上で、「貨物専用機が需要増加の大部分を担っているため、航空貨物は貿易の混乱の中でもサプライチェーンの維持に貢献している」と述べた。加えて、「今後数カ月は、航空業界が地政学的な不確実性と高騰する運営コストに対処できるかが試される」と指摘した。
4月の各地域の航空貨物需要量のシェアおよび、需要量の前年同月比増減率は次のとおり。
- アジア大洋州:シェア35.8%(前年同月比10.5%増加)
- 北米:シェア24.6%(前年同月比5.0%増加)
- 欧州:シェア21.4%(前年同月比6.0%増加)
- 中東:シェア13.2%(前年同月比18.2%減少)
- 中南米:シェア2.9%(前年同月比2.8%減少)
- アフリカ:シェア2.1%(前年同月比7.7%増加)
主な貿易ルートの輸送量としては、アジア・欧州間が16.2%増や、アフリカ・アジア間が12.8%増で成長を牽引し、欧州域内(14.0%増)やアジア域内(13.0%増)の輸送も堅調な成長を維持した。
なお、4月の原油価格は前年同月比77.7%上昇し、ジェット燃料価格は121.1%上昇と急騰したという。
また、IATAによると、中東情勢の影響により、4月の世界の航空旅客数は前年同月比3.4%減となったという。
中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。
(井澤壌士)
(中東、アジア、アフリカ、世界)
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