IMF理事会がパキスタンへの融資継続を承認
(パキスタン)
カラチ発
2026年05月12日
IMF理事会は5月8日、パキスタン向け追加融資プログラム〔拡大信用供与措置(EFF)、期間37カ月間〕(2024年9月30日記事参照)に係る第3回レビューおよび強靭(きょうじん)性・持続可能性ファシリティー(RSF)(2025年5月14日記事参照)に係る関連レビューを終え、両プログラムの融資継続を正式に承認した。これにより、同国にはEFFから約11億ドル、RSFから約2億2,000万ドルの合計約13億2,000万ドルの資金が供与されることが決定し、2つのプログラム累計融資額は48億ドルとなった。
本件は、3月27日にIMFとパキスタン当局との間で成立したスタッフレベル合意(SLA)を受けたもので、同国が昨今の中東情勢下でも財政健全化や構造改革で一定の進展を示したことが評価された。具体的には、歳入確保に向けた燃料課税の見直しや補助金の段階的縮減に加え、税務行政の改善などの施策が着実に進められている点が確認された。
マクロ経済面では、経常収支の安定、外貨準備の回復といった改善傾向が維持され、経済活動にも緩やかな持ち直しの動きがみられる。一方で、中東情勢の緊張に伴うエネルギー価格の上昇やインフレ率の再加速傾向(2026年5月7日記事参照)など、複合的なリスクに直面しているほか、エネルギー分野の循環債務問題への対応と持続的な税収基盤の確立は、依然として重要な構造的課題だ。
今回が第2弾融資となるRSFに関しては、気候変動リスクへの対応能力強化に向けた政策が進展しており、災害耐性の向上や長期的な成長の安定化に資する取り組みとして評価された。
政府がエネルギー部門の財務状況の改善に努める一方、国際エネルギー価格の変動や世界的な金融引き締めの進行は、パキスタン経済の下振れリスクとして引き続き認識されている。IMFは、こうした外部環境の不確実性を踏まえつつ、パキスタンに対して財政規律の維持と構造改革の着実な履行を求めている。とりわけ、今後公表が予定される2026/2027年度(2026年7月~2027年6月)国家予算で、財政健全化や気候変動リスクへの対応など、課題解決に向けた政策方針をどの程度実効的に反映できるかが、両プログラムの持続性と進展を測る重要な試金石となる。
(糸長真知)
(パキスタン)
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