付加価値税改正法案を発表
(スリランカ)
コロンボ発
2026年05月12日
スリランカ政府は4月29日、進行中の財政改革プログラムの一環として、付加価値税(VAT)法(2002年第14号)の改正法案を公表した。本改正は議会の承認を経て7月1日から施行される予定だ。今回の改正では、VAT登録基準額が大幅に引き下げられるなど、これらの改革は、製造業、商社、IT・デジタルサービス事業者、金融機関、ならびにスリランカ関連の小売業に直接的な影響を及ぼすと見込まれる。主な改正点は次のとおり(注)。
(1)VAT登録基準額の引き下げ
7月1日以降、四半期の課税売上高が900万スリランカ・ルピー(約441万円、1スリランカ・ルピー=約0.49円、以下ルピー)を超える場合、または年間の課税売上高が3,600万ルピーを超える場合に、VAT登録が義務化される。これは従来の基準額(四半期=1,500万ルピー、年=6,000万ルピー)を大幅に引き下げるものであり、中小企業(SME)や外国資本系の現地法人を含め、VAT登録事業者の範囲が拡大する。
(2)非居住者によるデジタルサービスへのVAT導入
7月1日以降、非居住企業が国内消費者に提供するデジタルサービスに対してVATを課す。本措置は電子プラットフォームを通じたサービスが対象だが、B2B取引は対象外となる。
(3)金融サービスに対するVATの引き上げ
7月1日以降、金融サービスに適用されるVAT税率を18%から20.5%へ引き上げる。これは、従来のVAT(18%)と社会保障負担税(SSCL、2.5%)を一本化したもの。本改正は、銀行、リース、保険などの金融サービス事業(外資系機関を含む)に影響を及ぼす。
(4)認定POS(販売時点情報管理システム)の使用義務化
全てのVAT登録事業者は、内国歳入庁により承認されたセキュアなPOSシステムの使用が義務付けられる。
(5)法執行および罰則の強化
- 最大100万ルピーの金銭的罰則(従来は2万5,000ルピー)
- VAT脱税や不正還付請求に対する刑事責任の追及
- 透明性およびコンプライアンス監視強化のためのVAT登録事業者の公表
現地報道によれば、ニシャンタ・ジャヤウィーラ経済開発副大臣は5月4日の国会演説で「本改正は新たな財政負担ではなく構造的簡素化だ」と強調したとされる(5月6日「デイリー・ミラー」)。
(注)その他、VATの詳細については、「税制」ページを参照されたい。
(ラクナー・ワーサラゲー、志鎌大介)
(スリランカ)
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