サウジアラムコ、2026年第1四半期は増益、回復力と柔軟性で地政学リスクに対応
(サウジアラビア)
リヤド発
2026年05月12日
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは5月10日、2026年第1四半期の調整後純利益が前年同期比約26%増の336億ドルとなったと発表した。一方、営業活動によるキャッシュフローは前年同期比3%減の307億ドル、フリーキャッシュフローは同3%減の186億ドルとなり、158億ドルの運転資本増加の影響を受けた。
発表によると、2026年3月末時点のギアリング比率(注)は4.8%と、前期末(3.8%)から上昇した。設備投資は第1四半期に121億ドルを計上し、成長戦略を支える。取締役会は第1四半期の基本配当として219億ドル(前年同期比3.5%増)を決議し、第2四半期に支払われる予定だ。インフラ面では、東西パイプラインが日量700万バレル(2026年4月16日記事参照)の最大輸送能力に到達し、同国西岸経由の輸出を支援した。また、国内外の貯蔵能力が供給面での柔軟性を高めている。重要インフラへの戦略的投資や危機対応計画により、地政学的な混乱の中でも安定した事業継続が確保されたとしている。
同社のアミン・ナセル社長兼最高経営責任者(CEO)は「複雑な地政学的環境下においても、当社は高い回復力と運用の柔軟性を維持している。東西パイプラインは重要な供給ルートとして機能し、ホルムズ海峡の輸送制約の影響を受ける顧客への供給を支援した」と述べた。また、最近の情勢は石油・ガスがエネルギー安全保障と世界経済において重要であることをあらためて示していると指摘した。その上で、同社は国内インフラとグローバルネットワークを活用し、今後も顧客および株主への価値提供を継続していく方針だとした。
(注)自己資本と借金の割合を測定する指標。
(林憲忠)
(サウジアラビア)
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