4月の中東からの原油輸入量は前年同月比67.2%減、米国からは38.8%増
(日本、中東、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、米国)
調査部中東アフリカ課
2026年05月28日
日本の財務省が5月28日に発表した2026年4月の貿易統計(輸出確報、輸入速報)
によると、日本から世界向けの輸出額は前年同月比14.8%増の10兆5,064億円、世界からの輸入額は9.8%増の10兆2,072億円となった。日本の中東(注)からの輸入額は、前年同月比56.8%減の4,692億円、中東への輸出額は55.8%減の1,387億円だった。
2月末の米国とイスラエルのイランへの攻撃による中東情勢悪化に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、カタール、クウェートからの輸入はほとんど停止している状況だ。一方、ホルムズ海峡を通らない代替ルートのあるサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)は代替ルートもあるほか、オマーンとの貿易ルートはペルシャ湾を通らない(2026年5月21日記事参照)。
4月の日本の中東からの輸入品目では、鉱物性燃料が品目別シェア91.6%で最多だったが、前年同月比58.2%減と大きく落ち込んだ。鉱物性燃料のうち、「原油および粗油」が中東からの輸入額全体のシェア81.7%を占め、前年同月比55.5%減の3,832億円、シェア6.7%の石油製品は72.4%減、シェア3.2%の液化天然ガス(LNG)も71.5%減だった。輸入量では「原油および粗油」が67.2%減の384万キロリットル(以下、kl)だった。
一方、4月の日本の世界からの輸入金額でシェア15.2%の鉱物性燃料が、前年同月比19.3%減だった。世界からの輸入量では、「原油および粗油」は前年同月比63.7%減の448万kl、液化天然ガス(LNG)は20.6%減の427万トンと落ち込んだ。一方、石油製品はシンガポール、韓国、マレーシアからの重油などの輸入量が増え、48.9%増となった。なお、石油製品のうち「揮発油」の輸入量は37.7%減の153万トンだった(金額は2.0%増)。
4月の「原油および粗油」の中東諸国からの輸入量は減少したが、米国やエクアドルなどからの輸入量が増加した。なお、米国からの輸入量は前年同月比38.8%増だったが、輸入額としては同2.2倍となった。
4月の日本の「原油および粗油」の国別輸入量とシェアおよび前年同月比増減率は次のとおり。
- サウジアラビア:1億7,768万kl(シェア39.7%)、前年同月比60.0%減
- UAE:1億9,741万kl(44.1%)、62.2%減
- 米国:4,566万kl(10.2%)、38.8%増
- エクアドル:1,158万kl(2.6%)、14.5%増
- オマーン:715万kl(1.6%)、77.4%減
なお、5月12日の中東情勢に関する関係閣僚会議資料
によると、日本政府は5月分の原油は代替調達などで例年の6割を調達し、6月には例年の7割以上を調達する見込みだとした。また、不足分は石油の備蓄放出で補充するという。
中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、ホルムズ海峡や代替ルートなどの状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。
(注)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。
(井澤壌士)
(日本、中東、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、米国)
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