4月の日本の中東からの輸入額は前年同月比56.8%減、中東向け輸出額は55.5%減
(日本、中東、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)
調査部中東アフリカ課
2026年05月21日
日本の財務省が5月21日に発表
した2026年4月の貿易統計の速報値(円貨)によると、日本から世界向けの輸出額は前年同月比14.8%増の10兆5,073億円、世界からの輸入額は9.7%増の10兆2,054億円となった。このうち日本の中東(注)からの輸入額は、56.8%減の4,692億円と大幅な減少を見せた。中東への輸出額も55.5%減の1,395億円だった。
中東情勢悪化に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、カタール、クウェートからの輸入は、ほとんど停止している状況だ。一方、ホルムズ海峡を通らない代替ルートのあるサウジアラビアからの輸入は、前年同月比36.4%減にとどまった。アラブ首長国連邦(UAE)は代替ルートがあるものの56.7%減、オマーンは49.8%減となった。
日本の主な中東各国からの輸入額および前年同月比増減率は次のとおり。
- サウジアラビア:2,145億円、36.4%減
- UAE:2,050億円、56.7%減
- オマーン:227億円、49.8%減
- カタール:69億円、94.5%減
- クウェート:8億円、98.9%減
4月の日本の中東からの輸入品目では、鉱物性燃料がシェア91.5%で最多だったが、前年同月比58.2%減と大きく落ち込んだ。鉱物性燃料のうち、「原油および粗油」が中東からの輸入額全体のシェア81.7%を占め、3,832億円(前年同月比55.5%減)、輸入量で384万キロリットル(67.2%減)だった。その他の中東からの主要輸入品目をみると、シェア6.7%の石油製品(おもに揮発油)は72.4%減、シェア3.2%の液化天然ガス(LNG)も71.5%減だった(両品目も鉱物性燃料に分類)。
なお、5月12日の中東情勢に関する関係閣僚会議資料
によると、日本政府は5月分の原油は代替調達などで例年の6割を調達し、6月には例年の7割以上を調達する見込みだとした。また、不足分は石油の備蓄放出で補充するという。
自動車輸出は90.8%減に
ホルムズ海峡封鎖の影響により、4月の日本から中東への輸出額も前年と比べ大きく減少している。中東の国・地域別の輸出額では、UAEが最多でサウジアラビアが続いた。
日本からの主な中東各国への輸出額、および前年同月比増減率は次のとおり。
- UAE:766億円、40.1%減
- サウジアラビア:349億円、49.6%減
- カタール:22億円、85.7%減
- オマーン:21億円、86.3%減
- クウェート:8億円、96.7%減
日本の中東向けの輸出品目では、輸送用機器が前月(3月)には金額全体のシェア72.2%だったが、4月にシェア15.6%まで落ち込んだ。輸送用機器のうち自動車が前年同月比90.8%減の159億円だった。そのほか、シェア9.9%の原動機は30.1%増だったが、シェア3.3%の鉄鋼が60.1%減、シェア3.4%の自動車の部分品が58.2%減と落ち込みをみせた。
中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、ホルムズ海峡や代替ルートなどの状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。
(注)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。
(井澤壌士)
(日本、中東、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)
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