イランが米停戦案に回答提出も、トランプ大統領「受け入れられない」

(米国、イラン、イスラエル、中東)

テルアビブ発

2026年05月11日

イランの保守強硬派メディアであるタスニム通信は5月10日、米国が提示した最新の軍事行動の終結に向けた提案(2026年5月8日記事参照)に対するイランの回答が、既に米国側に提出されたと報じた。タスニム通信は今回の回答の具体的な内容について現時点で明らかにされていないとしている。

一方、「ウォールストリート・ジャーナル」紙(5月10日付)によると、事情に詳しい関係者の話として、イランの回答は、米国が求める核開発計画や高濃縮ウラン備蓄の最終的な扱いに関する事前の確約については解決していない。その代わりに、イランはまず軍事行動を終結させ、その後、米国がイラン船舶や港湾に対する封鎖を解除するのに伴い、ホルムズ海峡を商業船舶に対して段階的に開放することを提案しているという。同紙はまた、イランは核問題について、停戦後30日間を協議期間とし、高濃縮ウランの一部を希釈し、残りを第三国に移送することを提案したと報じた。

これに対し、米国のドナルド・トランプ大統領は5月10日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランの回答を「全く受け入れられない」と強く反発した。トランプ大統領は「イランのいわゆる『代表団』からの回答を先ほど読んだが、気に入らない。完全に受け入れ不可能だ」と述べ、イラン側の提案が米国の要求を満たしていないとの認識を明確に示した。

画像 イランの回答に対するトランプ米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

イランの回答に対するトランプ米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)

一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5月10日に放映された米CBSテレビの報道番組「60ミニッツ」のインタビューで、対イラン軍事行動について「大きな成果はあったが、まだ終わっていない」と述べ、戦闘終結にはイランの核開発能力を完全に排除する必要があるとの認識を示した。ネタニヤフ首相は、現在もイラン国内には高濃縮ウランを含む核物質が残存しており、解体されていないウラン濃縮施設が存在すると指摘した。また、イランが地域内で支援する代理勢力や弾道ミサイル開発計画も継続しているとして、「多くを弱体化させたが、依然として解決すべき課題が残っている」と述べた。

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。

(中溝丘)

(米国、イラン、イスラエル、中東)

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