アフリカ、EV普及は限定的も着実に拡大、二輪車普及が先行、IEA報告

(アフリカ、エジプト、モロッコ、南アフリカ共和国、エチオピア、モーリシャス、ルワンダ、ナイジェリア、ケニア、ウガンダ)

調査部中東アフリカ課

2026年05月29日

国際エネルギー機関(IEA)は5月20日、「世界EV見通し2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(2026年5月22日記事参照)。IEAは、アフリカにおける電気自動車(EV)の普及は依然として限定的ながらも、近年着実に拡大していると報告。一方、アフリカにおいては中古車輸入への依存構造や統計把握の困難さなど、ほかの地域とは異なる市場特性が普及の制約要因となっている点を強調した。

IEAによると、アフリカではEV販売が2023年の約4,000台から2025年には約2万5,000台に拡大。この増加の多くは、エジプト(約7,900台)、モロッコ(約5,500台)、南アフリカ共和国(約3,800台)の3カ国によるもので、これら3カ国で2025年の地域販売台数の約7割を占めた。一方、エチオピア、モーリシャス、ルワンダ、ナイジェリアなどでも普及が進みつつあり、地域全体で市場の裾野が広がっているという。

また、供給面では中国メーカーの存在感が急速に高まっている。2023年は欧州メーカーがアフリカのEV販売の約4割を占めていたのに対し、中国の比亜迪(BYD)は4%にとどまっていた。しかし、2025年にはBYDのシェアは約35%にまで拡大し、市場構造は大きく変化したと指摘。さらに、モロッコでは国産メーカーNeoモーターズが2026年に初のEVモデルの販売を開始するなど、域内生産の動きもみられるという。

一方で、アフリカでは電動二輪車の普及が先行し急速に進展している。販売台数は2020年の1,000台未満から2025年には約7万台に拡大し、四輪のEVを上回るペースで増加しているという。背景には、一部の国ではライドシェアや配送など商業用途での需要拡大や、燃料費削減によるコスト優位性が導入を後押ししている。IEAは特にウガンダやケニアでEVの普及が顕著であると報告。ウガンダでは資金融資の拡大やバッテリー交換ネットワークの整備により、2025年の販売台数が3万台を超え、ケニアではガソリン価格に対して電力価格が低いことから電動化によるコスト削減効果が大きく、販売台数は前年比で3倍以上に拡大した。バイクタクシーなど商業用途では、従来型の車に比べて燃料費が大幅に削減できることも普及の要因となっているとした。

また、分割払いなどの金融手法や「ライド・トゥ・オウン(注)」といったビジネスモデルの普及により、初期投資の負担が軽減されている。国内企業による生産や配車サービスでの導入も広がり、普及が進んでいる。IEAは、電動二輪車の拡大がアフリカの電動モビリティー普及を主導する可能性があると示唆した。

(注)車両を使用しながら分割払いを行い、最終的に所有するビジネスモデル。

(加藤皓人)

(アフリカ、エジプト、モロッコ、南アフリカ共和国、エチオピア、モーリシャス、ルワンダ、ナイジェリア、ケニア、ウガンダ)

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