テマセク基金の環境技術公募、最終ピッチに初の日本企業

(シンガポール)

シンガポール発

2026年05月28日

シンガポールの非営利団体テマセク基金が主催する環境技術公募「ザ・リバビリティー・チャレンジ2026」の最終ピッチコンテストが5月20日に開催され、二酸化炭素(CO2)の回収技術を持つスタートアップ2社が優勝した。シンガポールのメタエイト(metha8)と、フランスのヤマ(YAMA)が、それぞれ優勝賞金(助成金)として100万シンガポール・ドル(約1億2,400万円、Sドル、1Sドル=約124円)を獲得した。また、放射冷却素材を開発するスタートアップSPACECOOL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(本社:東京都港区)は、投資賞を受賞した。主催者によると、日本企業がファイナリストに選出されたのは初めて。

テマセク基金による同技術公募は今回で9回目となる(2025年9月9日記事参照)。今回の公募テーマは、(1)脱炭素技術と(2)気候変動に伴う異常気象への対応策の2分野で、100カ国以上から過去最多となる約1,500件の応募があった。

優勝したヤマは、天然ガスの発電所から排出される、CO2濃度が低い排ガスを対象に、電解透析を応用してCO2を安価で回収する技術を開発した。また、メタエイトは、グリーン水素とCO2を組み合わせてメタノールを生成し、輸送しやすいように液体燃料化し、輸送先でメタノールを水素とCO2に分解し、水素は電気化学的に利用して発電する方式を開発した。発電後に排出されるCO2は回収し、再びメタノール製造に利用する。同社は、科学技術研究庁(Aスター)からの開発資金も獲得した。

写真 記念撮影に応じる最終ピッチに登壇したスタートアップ8社の代表や主催者と関係者(ジェトロ撮影)

記念撮影に応じる最終ピッチに登壇したスタートアップ8社の代表や主催者と関係者(ジェトロ撮影)

また、SPACECOOLには、富裕層向け資産運用会社キボ・インベストから10Sドルの投資資金が授与された。同社の放射冷却素材は太陽光の熱を遮断するだけでなく、熱を宇宙空間に放射する。屋根などに設置するだけで、エネルギーを消費せずに温度を下げることが可能な素材だ。同社共同創業者の末光真大代表取締役CEOCTOはジェトロのインタビューで、「今回の受賞をきっかけに、東南アジアでの事業拡大をしていきたい」と抱負を語った。

写真 投資資金10万Sドルを授与されたSPACECOOLの末光CEO(中央)と木嶋優斗インターナショナルパートナーセールス・マネジャー(ジェトロ撮影)

投資資金10万Sドルを授与されたSPACECOOLの末光CEO(中央)と木嶋優斗インターナショナルパートナーセールス・マネジャー(ジェトロ撮影)

(本田智津絵)

(シンガポール)

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