中国EU商会、産業・サプライチェーン安全規定に関する見解を発表、ガイドラインによる明確化求める
(中国、EU)
調査部中国北アジア課
2026年05月11日
在中国欧州企業などからなる団体の中国EU商会は4月13日、中国国務院が3月31日に施行・公布した「産業チェーン・サプライチェーンの安全に関する国務院規定
」(以下規定、2026年4月8日記事参照)に関する見解を発表した。
EU商会は、規定には欧州企業にとって新たな不確実性をもたらす不明確かつ曖昧な規定が数多く含まれていると指摘した。具体的には、中国国民や組織に対して差別的措置を講じる者、あるいは中国の産業・サプライチェーンに実際の損害を与える、または実際の損害を与える恐れがある外国の組織や個人に対し、調査を行い、措置を講じることができるとしている点などを挙げた。
また、同規定にはどのような具体的な活動が中国の産業・サプライチェーンに対する脅威とみなされるかを明確にする文言が含まれておらず、正当な商業上の判断であっても、そのように解釈される可能性があるとも指摘した。
さらに、多くの欧州企業が、サプライチェーン・デューディリジェンスに関する欧州指令(注)に準拠しなければならず、サプライチェーン全体にわたる透明性を証明するための監査の実施が求められるため、このプロセスの一環として収集が必要な情報が、同規定に違反すると解釈されるリスクがあるとの懸念を示した。このほか、出国禁止措置の適用および解除に関する明確かつ透明性のある法的手続きが示されていないとも指摘した。
上記を踏まえて、EU商会は中国政府に対し、第三国の法や規則への対応と、同規定の義務の履行の両立を可能にするより詳細なガイドラインが示されるよう要望した。
なお、中国商務部は4月23日、EUのサイバーセキュリティー法改正案について、中国企業が同法案によって差別的待遇を受けた場合、中国側は同規定などに基づいて措置を取ることができると表明している。
(注)EUは2024年7月25日、企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)を施行。その後、2025年2月には欧州委員会が持続可能性関連のDD実施義務や開示義務を大幅に簡素化するオムニバス法案を発表し、2026年3月に簡素化指令が施行された。
(小宮昇平)
(中国、EU)
ビジネス短信 21a3815828b25c31





閉じる