ペルー大統領選、フジモリ氏とサンチェス氏による決選投票に

(ペルー)

リマ発

2026年05月18日

ペルー選挙審議会(JNE)は5月17日、4月に実施された大統領選挙の集計結果を確定させた。今回の選挙は35人の候補者で争われ、投票日に選挙用紙が届かない投票所が相次ぐなど(2026年4月14日記事参照)混乱が多い選挙となり集計に時間を要した。有効票の過半数を得た候補者がいなかったため、得票数上位2人のケイコ・フジモリ氏とロベルト・サンチェス氏による決選投票を6月7日に実施することが決まった。

ケイコ氏は故アルベルト・フジモリ元大統領の長女で、決選投票は連続4回目の挑戦となる。国内外企業による貿易と投資の促進をペルー経済発展の基盤と位置付けるとともに、インフォーマル・セクター削減のため中小零細企業の育成と支援を行うと訴える。

一方、サンチェス氏は、経済成長の恩恵が庶民に行き届いていないとして、新憲法制定により大規模企業が利益を独占する現在の仕組みを変えるとともに、鉱物資源の管理方法を見直して国民がメリットを享受できる仕組みにすると強調する。同氏はクーデター未遂などの罪で収監されているペドロ・カスティージョ元大統領の開放を強く訴えているが、その正当性や具体的な手続きなどについては明らかにしていない。カスティージョ元大統領と近い関係にあり。カスティージョ政権時に通商観光相に登用されている。

サンチェス氏は、地方自治体勤務などを経て議員として政治家活動を行っており、農民ではないが、選挙期間中はアンデス地域の農民であるカンペシーノ(campecino)の麦わら帽子をかぶって活動している。親しみやすさの演出と、カスティージョ氏が2021年の選挙時に麦わら帽子をシンボルとして使用していたことを踏まえた行動とみられている。

地元産業界は、サンチェス氏に警戒感を示している。国内最大規模の商工会議所であるリマ商工会議所(CCL)のラウル・バリオス会頭は4月以降、地元の各報道機関のインタビューにおいて、ケイコ氏には憲法改正の意図がないことを指摘した上で、「サンチェス氏が主張するように憲法の経済に関する条項を変更した場合、ペルー経済は深刻な打撃を受けるだろう。企業は数十年のスパンで事業計画を立ててペルーに投資しており、ペルーの法的安定性がそれを可能にしてきた」と話している。

(石田達也)

(ペルー)

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