イタリア政府、ガソリンや軽油の物品税引き下げを再延長

(イタリア、中東)

ミラノ発

2026年05月18日

イタリア政府は4月30日、「国際市場危機の長期化に伴う石油価格に関する緊急措置」に係る政令を承認し、5月1日までとしていたガソリンや軽油に課されている物品税の引き下げを再延長することを決定した。延長期間は21日間で、同様の措置は3月18日(2026年3月25日記事参照)、4月3日に続き、今回で3回目となる。イタリア商業連盟(コンフコンメルチョ)によると、本措置の財源については、独占禁止法違反に対する罰金や、価格上昇に伴い増額となる付加価値税収入により賄うとされている。

ただし、前回までの措置と異なり、ガソリンと軽油で減税額に差を設けた。環境・エネルギー安全保障省が公表した2026年4月の国内平均価格によると、ガソリンは1リットル当たり約1.76ユーロで前月比0.11%減となった一方、軽油は約2.10ユーロで同5.54%増と上昇を記録。このため、今回の措置では、ガソリンの減税額を1リットル当たり5セントとした一方で軽油は同20セントとした。なお、これまでの措置ではガソリン、軽油ともに一律同25セントの減税が適用されていた。

本措置の効果は限定的、輸送業界は政府との協議の場を要求

イタリアの消費者団体コダコンス(Codacons)は、5月2日に声明を発表。現在進行中の危機的状況と燃料価格の水準が依然として高い状況を踏まえ、本措置の適用期間は短期で不十分だと指摘した。5月12日時点における国内各州のガソリン平均価格は、全国的に1.90ユーロを超えている。また、重点支援した軽油の平均価格もほぼ全州において、2.0ユーロ近くとなっており、価格の低下傾向はみられない。

自動車・トラック輸送サービス業界からも厳しい声が上がっている。国内業界団体であるコンフトラスポルト(Conftrasporto)のパスクアーレ・ルッソ会長は、「国際情勢緊迫とそれに伴うエネルギー価格の上昇は、自動車・トラック輸送業者に深刻な影響を与え続けており、もはや持続不可能な状況に陥っている。運営コストが40%も増加しているにもかかわらず、十分な対策が講じられていない」と指摘。政府と協議の場を設けることが急務と訴えている。

(平川容子)

(イタリア、中東)

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