イタリア政府、燃料価格高騰対策でガソリンなどの物品税を引き下げ

(イタリア、中東)

ミラノ発

2026年03月25日

イタリア政府は3月18日、中東情勢の緊迫化による燃料価格高騰への暫定的な措置として、翌19日から、ガソリン、軽油、液化石油ガス(LPG)に課されている特定の物品税を引き下げる政令を承認した。本措置の適用期間は20日間とされているが、状況により延長も検討される。

イタリアでは、イスラエルおよび米国によるイランへの軍事作戦以降、原油価格の上昇を背景に、ガソリンや軽油の価格が急騰している。同軍事作戦以前の、2026年1月の国内平均価格は、ガソリンが1リットル当たり約1.64ユーロ、軽油が同1.67ユーロだったが、本政令が承認された3月18日時点で、すべての州においてガソリンは同1.8ユーロを超え、軽油も同2.0ユーロを超える水準に達していた。消費者や企業の負担軽減を求め、日本の経団連に相当するイタリア産業連盟(コンフィンドゥストリア)や、野党の「五つ星運動」および「民主党」から政府に対策を求める声が上がっていた。

本措置により、ガソリンおよび軽油は1リットル当たり25セント、LPGは1キログラム当たり12セントの価格引き下げが見込まれている。また同時に、燃料価格の上昇を利用し不当な投機利益を得ようとする企業の監視や防止策も強化する。石油事業者は3カ月間にわたり、推奨販売価格の公表を義務付けられ、これらは企業・メードインイタリー省傘下の監督官が監視する。義務を履行しなかった場合には制裁が科される。

このほか、自動車・トラック輸送部門および漁業部門を対象とした税額控除による臨時の支援も定めている。自動車・トラック輸送については、2026年2月と比較して、同年3月、4月、5月に発生した燃料費支出の増加分を対象とする。漁業に対しては、2026年3~5月の燃料購入費用の最大20%を上限とする税額控除が受けられる予定。

本措置は3月18日に開催された閣僚会議で承認され、同日中に官報へ掲載されるという異例の迅速な手続きが取られた。政令承認の発表時期や適用期限が20日間という短さから、野党からは、同22日、23日に実施された与党主導の司法制度改革の是非を問う国民投票を意識した選挙対策ではないかとの批判も出ていた。

(平川容子)

(イタリア、中東)

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