オーストラリア、能力向上型「もがみ」フリゲート3隻について日本と正式契約

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2026年05月07日

オーストラリア連邦政府は4月18日、同国海軍の次期汎用(はんよう)フリゲート艦として、三菱重工業が建造する「もがみ」型護衛艦の能力向上型3隻について正式契約を締結したと発表した。本契約の署名は、リチャード・マールズ副首相兼国防相と小泉進次郎防衛相がメルボルンで「もがみ覚書(Mogami Memorandum)」に署名するかたちで行われ、本艦の着実な引き渡しと、防衛産業分野における日豪協力のさらなる深化に対する両政府の決意を再確認するものとなった。これにより、本件は選定段階(2025年8月15日記事参照)から、具体的な実行段階へと移行する。初期の3隻は日本で建造され、その後の艦艇は西オーストラリア州ヘンダーソンで建造される予定だ。

マールズ国防相は本事業について、「オーストラリアの海上交通路および北方接近経路の防衛能力を大幅に強化するもの」と説明した。また連邦政府は4月16日に公表した「2026年国家防衛戦略(National Defence Strategy 2026)」において、防衛力の強化とともに、国内防衛産業基盤の確立や同盟国との産業協力拡大を重要政策として掲げている。

日豪防衛産業協力、企業レベルでも進展

艦艇本体に加え、搭載システム分野での日本企業の関与も進んでいる。三菱電機は4月18日付プレスリリースで、オーストラリア国防省と「豪州次期汎用フリゲート搭載システムの取得契約」を締結したと発表し、同国海軍の情報収集・監視能力向上や日豪防衛の深化を支援するとしている。またNECも同日付リリースで、3隻に共通して搭載される水上艦用ソーナーなどの水中関連機器、ならびに複合通信空中線(UNICORN)を含む通信・航法関連機器を提供し、オーストラリアの防衛力強化と日豪の相互運用性向上に貢献するとしている。

連邦政府は今後、防衛装備調達において艦艇取得後を見据えた体制整備を重視する方針を示しており、契約後の記者会見では日本との「シームレスな防衛産業基盤」構築の重要性が強調された。こうした分野は艦艇取得後の長期段階にわたって必要とされるため、今後の産業協力がどの領域で具体化していくかが注目される。

(ストーリー愛子)

(オーストラリア、日本)

ビジネス短信 0855e2aed6313832