ホルムズ海峡通航と米・イラン協議を巡り、両国の立場の相違が鮮明に
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、中東)
テルアビブ発
2026年04月20日
4月16日に発効したイスラエル・レバノン間の停戦(2026年4月17日記事参照)を受け、ホルムズ海峡の通航問題と米国・イラン間の協議の双方を巡り、イラン側高官と米国大統領の発言が相次ぎ、両国の立場の相違が鮮明になっている。
イランのアッバース・アラーグチー外相は4月17日、自身のX(旧Twitter)に、レバノンにおける停戦に伴い、残りの停戦期間について、イラン当局が指定するルートに基づき、全ての商業船舶についてホルムズ海峡の通航を認めると表明した。
ホルムズ海峡の通航に関するイランのアラーグチー外相のコメント画面〔X(旧Twitter)のアラーグチー外相の公式アカウントより〕
これに対し、米国のドナルド・トランプ大統領は同日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、ホルムズ海峡は「完全に開放され、商業活動および全面通航の準備が整っている」との認識を示した。一方、イランに出入港を行う全船舶に対する封鎖措置(2026年4月13日記事参照)については、米国・イラン間の取引が「100%完了」するまで、「完全に有効なかたちで維持される」と明言した。さらに、核問題を巡っては、2025年6月に米軍が実施したイランの核施設攻撃(2025年6月23日記事参照)で生じたとするイランの「核の塵(ちり)」を米国が全て回収すると述べ、金銭の授受や資金移動は一切行われないと説明した。
これに対して、イランのモハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長は4月18日、自身のXで、トランプ大統領の一連の発言について、「7つの主張はいずれも虚偽である」と強く反発した。また、米国がイランに対する船舶封鎖を継続する限り「ホルムズ海峡の開放を継続しない」と述べ、同海峡の通航については、「指定されたルート」に基づき、「イランの許可」を得た場合にのみ認められるとの認識をあらためて示した。
トランプ大統領は4月19日、自身のSNSへの投稿で、米国の交渉担当者をパキスタンのイスラマバードに派遣し、イランとの協議を再開すると表明した。また、前日にホルムズ海峡でイランが商船に向けて発砲したとして、「停戦合意への完全な違反だ」と非難した。
イランとの協議再開に関するトランプ米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)
さらに、19日の投稿で、イラン船籍の大型貨物船が米国の船舶封鎖を回避しようとしたとして、米海軍がオマーン湾でこれを阻止し、航行を停止させたと明らかにした。
一方、イランのイスラーム共和国通信(IRNA)は4月19日、Xへの投稿で、イスラマバードで米国との第2回交渉が行われるとの報道を否定した。IRNAは、交渉が進展していない理由として、米国の過剰な要求や不合理かつ非現実的な期待、継続的な自己矛盾、停戦合意に反するとする船舶封鎖の継続や、威圧的な言辞を挙げている。
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘)
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、中東)
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