サウジアラビア資本市場庁、貸付型投資ファンドの新たな規制枠組みを承認
(サウジアラビア)
リヤド発
2026年04月02日
サウジアラビア資本市場庁(CMA)は3月26日、貸付型投資ファンド(注1)の機能強化を目的とした新たな規制枠組みを承認した。従来、同ファンドは私募に限定されていたが、本改正により公募が可能となり、サウジアラビア証券取引所(Tadawul)のメイン市場(注2)および並行市場(Nomu、注3)への上場を認めることになった。これにより、資金調達チャンネルの多様化と資本市場の発展を図ることが目的とされている〔3月26日サウジアラビア国営通信(SPA
)〕。
主な改正点は次のとおり。
- 公募・上場の解禁:貸付型投資ファンドについての公募が可能となり、サウジアラビア証券取引所のメイン市場および並行市場への上場が認められる。
- 規制の整理・一本化:関連規則を単一文書に統合し、制度を明確化。
- 制度名称の変更:「直接金融投資ファンド規則」を「ファイナンス投資ファンド規則」に改称し、直接および間接金融の双方を包含する枠組みとする。
- リスク管理の強化:公募ファンドの借入総額は純資産価値の15%以内、並行市場上場ファンドはファンド規模の50%以内とする。また、間接金融型(注4)の公募ファンドにおける単一受益者(同一グループ)向けエクスポージャー(注5)は25%未満に制限される。
- 情報開示・ガバナンスの強化:運用会社に対する義務を明確化するとともに、四半期および年次報告書での開示要件を拡充する。
サウジアラビア資本市場は近年、規制を整備し、新たな資金調達チャンネルを開拓することで、同国の資本市場を国内外の投資家にとって魅力的な投資先として位置づける取り組みを強化している。本件は2025年7月の「預託証券制度の導入(2025年7月16日記事参照)」や2026年1月の「外国人投資家への資本市場開放(2026年1月14日記事参照)」などに続く措置だ。
(注1)投資家から集めた資金を企業や事業者などへ貸し付けて運用する仕組み。
(注2)厳格な上場基準と高い開示要件を設けている有価証券取引所市場。
(注3)中小・成長企業中心の市場。メイン市場とくらべ、上場条件が緩和されている。
(注4)投資家が金融事業者などを介して、最終的な調達者へ間接的に資金供給する仕組み。
(注5)保有する金融資産のうち、特定のリスクにさらされている資産の割合のこと。
(井村文哉)
(サウジアラビア)
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