食品安全の新政令の停止延長を決定

(ベトナム)

ホーチミン発

2026年04月16日

ベトナム政府は4月6日、食品安全管理の新政令(46/2026/ND-CP、以下、政令46号)と関連法令の食品の公表・登録に関する規定(66.13/2026/NQ-CP、以下、決議66.13号)の適用の一時停止延長を決定した。1月に同政令が発効した際、実施ガイドラインがなかったことで通関手続きが困難となり、輸入通関が混乱し、貨物の滞留が相次いでいたため、政府は4月15日までの政令の停止を決定していた(2026年2月13日記事参照)。

停止期間中は、食品安全法の従来の制度を定めた2018年の政令15号(15/2018/ND-CP、注1)を引き続き適用する。改正食品安全法は2026年10月の国会会期中に提出され、その後、関連法令が発布される予定だ。

1月に即日発効され、混乱を招いた政令46号および決議66.13号では、これまでの製品情報の自己申告制度を廃止し、認証機関による検査結果を踏まえた技術規制適合の登録制度へ移行することや、管理対象を食品や添加物にとどまらず、包装材や食品と接触する工具などまで広げること、さらに食品安全に関する国家検査の権限を地方政府へ委譲を進めることなどが規定されていた。

3月初旬にベトナム商工連盟(VCCI)は首相および関係省庁に対し、政令46号および決議66.13号の実施過程で生じている困難や問題点を指摘した報告書を提出するとともに、より効果的な食品安全管理に向けた解決策を提言していた。本報告書には、新制度に関する意見交換会に参加した1,200人以上の企業代表者や食品関連の業界団体、在ベトナム米国商工会議所など外国企業団体からの意見も反映されている。さらに、食品安全管理に向けた方向性も提案しており、その5つの方針は次のとおり。

  1. 事後監査の強化:費用のかかる一律の事前審査手続きではなく、リスクの高い製品グループに重点的にリソースを投入すべき。
  2. システムに基づいた管理:国際的なシステム管理基準の適用を強化し、有効な国際認証の同等性を認める必要がある。
  3. 実施の一貫性の確保:地方政府への権限委譲は、人材、専門教育、予算など、十分な準備期間の確保が必要。
  4. デジタル化の推進とデータ連携の強化:管理機関間で統一されたデータシステムを構築し透明性を向上させ、重複する手続きを削減するとともに、食品の検査およびトレーサビリティーの効率の向上が必要。
  5. 政策策定プロセスの透明性確保:新規定は、影響を受ける関係者へ十分な意見聴取を行い、施行前に合理的な移行期間を設ける必要がある。

なお、日本産農林水産物・食品の対ベトナム輸出を支援する官民一体の枠組みであるベトナム輸出支援プラットフォームでは、本件やベトナムの輸入規制を含む、日本産食品の輸出に関する相談対応を行っている(注2)。

(注1)従来の輸入手続きの詳細は、ジェトロ「ベトナム 食品安全法の一部条項の執行を詳細に規定する政令(仮訳)」PDFファイル(782KB)、同「ベトナム食品輸入早わかりフローチャート」PDFファイル(1.1MB)を参照。

(注2)日本産食品の輸出に関する相談は、農林水産物・食品 輸出支援プラットフォーム(ジェトロ・ホーチミン事務所内、VNPF_Japanfood@jetro.go.jp外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)まで連絡を(ただし、年度初めの相談対応は回答に1カ月程度時間を要する場合あり)。

(新田和葉)

(ベトナム)

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