タイ、迂回貿易防止を強化、米国向けウォッチリストを拡大

(タイ、米国、EU)

バンコク発

2026年04月20日

タイ商務省・外国貿易局(DFT)は4月1日、米国およびEU向け輸出における、タイ原産を証明する非特恵原産地証明書(C/O)に関する規制の改正案を発表した。欧米の貿易ルールへの準拠を強化し、迂回貿易を防止することが狙いだ。

改正案は3つの通達として公表され、このうち米国向け輸出に関しては、次のとおり、監視対象品目(ウォッチリスト)が拡大された。DFTは、米国トランプ政権との協議を踏まえ、同リストの拡大方針を表明していた(2025年6月16日記事参照)。

(1)米国向けウォッチリスト品目に対する非特恵C/O申請に関するDFT通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:対米輸出時の非特恵C/O取得要件を規定。原産地表示の回避リスクのあるウォッチリストを従来の49品目群から67品目群に拡大する。関税分類(HSコード)上では、200品目以上が同リストの対象となる。具体的には、アルミニウム製品、銅管(継ぎ目なし)、自動車、家庭用大型洗濯機、グルタミン酸ナトリウムなどが追加された。

申請にあたって、輸出者は、次の書類をDFTに提出する。

輸出者が製造者の場合

  • 政府機関が発行した製造許可証
  • 製造工程フロー図
  • ウォッチリスト品目の製造に使用された原材料の購入証明
  • 国内原材料に関する請求書または支払い証明書
  • 輸入原材料に関する請求書または梱包(こんぽう)明細書、船荷証券、輸入申告書
  • DFTが要求する確認に必要なその他書類

輸出者が製造者と異なる場合

  • 製造者の同意の下、(申請書類上の)「製造者欄」で定められた提出書類、または、
  • 製造者欄に規定された書類が提出できない場合、製造者が作成する製造証明または販売者が発行した販売証明書を代用可能

非特恵C/Oは発給日から1年間有効。DFTは、発給前後を問わず、ウォッチリストについて疑義が生じた場合、申請者および製造者の事業所への調査権限を有する。当該輸出が米国の貿易ルールを回避している場合、または製造工程に重大な変更があり、米国の原産地基準を満たさなくなった場合、非特恵C/Oを取り消すことが可能だ。

(2)EU向けウォッチリストに対する非特恵C/O申請に関するDFT通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:(1)と同様の要件を規定。ただし、非特恵C/Oは発給日から2年間有効。対象品目は9品目群で今回変更はなし。

(3)非特恵C/O申請に関するDFT通達(2023年)の撤回に関する通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:DFTは、(今回の規制改正にあたって)米国およびEUへのウォッチリスト輸出に関する既存規制を撤回する。DFTは2023年にもウォッチリストを更新・拡大していた(2024年2月22日記事参照)。

(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国、EU)

ビジネス短信 f0425c75c630f017