中東情勢の影響、在スリランカ日系企業に聞く

(スリランカ、中東)

コロンボ発

2026年04月15日

ジェトロは、昨今の中東情勢が事業に与える影響について、スリランカで事業を展開する在スリランカ日系企業13社(製造業9社、サービス業4社。本文中に製造業はA~I社、サービス業はJ~M社と表記)に話を聞いた(取材日:3月26~27日)。

事業への影響について、約半数の企業が、出荷や調達の遅れ、調達コストの上昇など既にマイナスの影響が出ていると回答した。また、現時点では影響はないとする企業からも、原油供給の停滞が長期化した場合、操業に支障が出る可能性を指摘する声があった。

製造業では、A社が2026年2月末以降、アラブ首長国連邦(UAE)向けの船舶の航行が停止し、中東地域への輸出が止まっていると語った。B社は、給油上限量の制限(2026年3月19日記事参照)による国内委託先工場からの調達遅延や、燃料高騰による物価上昇や従業員の通勤への影響を懸念する。C社は、航空輸送の混乱による部品調達の遅れや、プラスチックを利用した原料の確保への懸念を示した。D、E社は、現時点で物流面での大きな支障はないものの、自社工場がディーゼル燃料で稼働しているため、燃料の確保に注力する方針だ。他方、F社、G社、H社、I社は、従来どおりの生産や輸出活動を継続しているが、現在の中東情勢が長期化すれば経営に支障が出ることもありうるという見方を示した。

サービス業では、J社が中東の航空会社による航空輸送に支障が出ていると話した。K社、L社、M社は、燃料価格の高騰による外出控えや中東地域を経由した外国人観光客の減少による消費者の需要減を懸念するほか、営業車両の利用制限を検討している。

物価上昇を受け、大統領が燃料への補助金支給を表明

スリランカ・センサス統計局(DCS)は3月31日、最大都市コロンボの3月の消費者物価指数(CCPI)上昇率(インフレ率)が、前月から0.6ポイント上昇し、前年同月比2.2%だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、スリランカ公益事業委員会(PUCSL)は4月1日から、電気料金を家庭用で平均13.5%、業務用で8.0%、産業用で8.7%引き上げており、物価押し上げ要因となる可能性がある。

こうした中、アヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ大統領は4月7日、スリランカ国会で「5月末までエネルギーおよび燃料の安定供給を確保する」と表明した。併せて、5月から3カ月間、ディーゼル燃料に1リットル当たり最大100スリランカ・ルピー(約51円、1スリランカ・ルピー=約0.51円、以下ルピー)、ガソリンに1リットル当たり最大20ルピーの補助金を支給する方針を示した。

(大井裕貴)

(スリランカ、中東)

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