チェコ政府、ウクライナ向け貿易保険の引き受け上限額を引き上げ

(チェコ、ウクライナ)

プラハ発

2024年04月23日

チェコ政府は4月17日、チェコの輸出信用機関である輸出保証・保険公社(EGAP)を通じて引き受けているウクライナ向け貿易保険について、1バイヤー当たりの保険価額の上限を300万ユーロから500万ユーロに引き上げると発表した(政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。EGAPは、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2022年2月に引き受けを停止したウクライナ向け貿易保険について、2023年7月に再開していた(2023年7月19日記事参照)。

ヨゼフ・スィーケラ産業貿易相は、「ウクライナ向け輸出に際してチェコ企業は貿易保険の活用に強い関心がある」ことから、「将来のウクライナ復興にチェコ企業が参画しやすい環境を整えたい」と述べた。ズビニェック・スタニュラ財務相は、今回の措置について「チェコ企業が潜在的なリスクをカバーしながら、より安心してウクライナ市場で事業を展開するために必要な措置」とコメントしている(産業貿易省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

2023年7月のウクライナ向け貿易保険の引き受け再開後、EGAPには50件の申請があった。EGAPはこのうち10件以上、総額1億2,000万コルナ(約7億8,000万円、1コルナ=約6.5円)超の取引について保険を引き受けた。

チェコ産業連盟は4月18日、今回の政府の緩和措置を歓迎する一方で、上限の廃止などさらなる緩和を求める声明を発表した(産業連盟プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同連盟が2024年3~4月に実施したアンケート調査によると、調査対象企業の40%近くが保険の上限を500万ユーロ超とすることを求めている。さらに過半数の企業は、現在12カ月としている保険対象期間の延長を求めている。

(志牟田剛)

(チェコ、ウクライナ)

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