オーストラリア政府、燃料価格高騰受け国内支援策を拡充

(オーストラリア、中東)

シドニー発

2026年04月21日

オーストラリア連邦政府は3月下旬から4月初旬にかけて、中東情勢の悪化に伴う燃料供給逼迫と価格高騰を受け、国内経済への影響を緩和するための支援策の拡充を相次ぎ打ち出した(3月30日付の官邸の発表など)。政府は、燃料調達先の多角化や国際市場との連携強化を進める一方(2026年3月26日記事参照)、国内では家計負担の軽減と物流網維持を目的とした対策を講じている。

連邦政府は4月1日から3カ月間、ガソリン・軽油に課される燃油税(fuel excise)を半減し、1リットル当たり0.263オーストラリア・ドル(約29円、豪ドル、1豪ドル=約112円)引き下げた。これに続き、州・準州政府は、燃料価格上昇に伴う物品・サービス税(GST)の増収分を活用し、追加で1リットル当たり0.057豪ドル相当の減税を実施することで合意した。これらの措置により、一般的な乗用車1台分の給油にかかる負担は、約23豪ドル軽減される。また、大型商用車向けの道路利用課徴金についても、3カ月間ゼロに引き下げ、物流事業者のコスト抑制を図るなど、輸送費を通じた物価上昇圧力の緩和と生活必需品価格への波及抑制を目指す。

また連邦政府は、総額61億5,000万豪ドルの優遇資金供給を前倒しすると発表した。このうち10億豪ドル規模の「経済強靭(きょうじん)化プログラム」では、燃料・肥料・物流などの対象企業に低利・無利子融資を提供し、燃料輸送能力や国内供給体制の強化を支援する。加えて、政府系の輸出金融公社(EFA)を通じた追加燃料輸入支援制度を導入したほか、燃料事業者に課す最低備蓄義務の一時緩和や燃料を迅速に市場へ供給するための燃料品質基準の暫定緩和も実施し、供給余力の拡大を図っている。

アンソニー・アルバニージー首相は一連の措置について、「家計と企業の双方を支え、経済への打撃を和らげるための対応」と説明した。連邦政府は燃料供給不安の長期化も視野に、価格抑制と供給網維持の両面から経済活動への影響緩和を図る構えだ。

(ストーリー愛子)

(オーストラリア、中東)

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