3月のインフレ率は前年同月比7.3%で上昇続く

(パキスタン、中東)

カラチ発

2026年04月06日

パキスタン計画・開発省統計局(PBS)は4月1日、2026年3月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が前年同月比7.3%となったと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(添付資料図参照)。これは、財務省が「Monthly Economic Update and Outlook(2026年3月版)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で想定していた7.5~8.5%のレンジをやや下回る水準であるものの、前月の7.0%からは0.3ポイント上昇しており、物価上昇基調が継続していることを示す結果となった。前年同月(2025年3月)のインフレ率が0.7%と極めて低水準だったことを踏まえると、2026年に入り、物価上昇圧力が明確に強まっていることが確認できる。

2026年3月のインフレ率を品目別にみると、輸送関連(前年同月比12.49%)および水道・光熱エネルギー(11.49%)が2桁の高い伸びを示し、特に中東情勢の影響を受けたガソリンとガス価格の上昇が全体のインフレ率を押し上げる主因となった(2026年3月27日記事参照)。4月2日には石油・ガス規制局(OGRA)が申請したガソリン・ガス小売価格の値上げが即時に承認され、3日からレギュラー・ガソリン小売価格は1リットル当たり460パキスタン・ルピー(約260円、1ルピー=約0.57円)となり、価格上昇が続いている。一方で、生鮮食品(マイナス6.91%)およびレクリエーション・文化関連(マイナス4.06%)の2品目は前年同月を下回り、マイナス圏での推移となった。

地域別にみると、都市部・農村部ともに全国平均とおおむね同様の動きを示している。都市部では前年同月比7.4%、農村部でも7.2%と、地域を問わず物価上昇圧力が確認された。内訳をみると、都市部では輸送関連(12.79%)、水道・光熱エネルギー(12.11%)が高水準となり、農村部でも輸送関連(12.00%)、水道・光熱エネルギー(10.02%)が主な押し上げ要因となった。

PBSによると、2025/2026年度(2025年7月~2026年3月)の9カ月間平均インフレ率は5.67%となり、前年同期の5.25%を上回って推移している。政府はインフレを抑制する姿勢を示しているものの、米国とイランの軍事衝突を背景とした中東情勢の緊迫化は、原油価格や物流コストの上昇を通じて、国内物価を押し上げるリスクを内包している。こうした状況を踏まえ、2026年4月27日に予定されている次回の金融政策決定会合(MPC)では、これまで維持されてきた政策金利10.5%が据え置かれるかどうかが注目される。

(糸長真知)

(パキスタン、中東)

ビジネス短信 c4d429caeff330df