中央アジア、2025年のベンチャー投資額が大幅増

(ウズベキスタン、カザフスタン)

タシケント発

2026年04月15日

ウズベキスタンで4月3日に開催された第5回中央ユーラシア・ベンチャーフォーラム(CEVF 2026)において、カザフスタンの調査会社ライズ・リサーチによる報告書「中央アジアにおけるスタートアップとベンチャーキャピタル2026」が発表された。本報告書によると、カザフスタンは地域最大のベンチャー投資市場としての地位を確立した一方、ウズベキスタンは中央アジアで最も高い成長率を示した。調査はトルクメニスタンを除く中央アジア4カ国を対象に行われた。

報告書によれば、中央アジアでの2025年のベンチャー投資額は大幅に増加し、3億2,000万ドルに達した。2024年(2025年4月7日記事参照)と比較して3.3倍の成長を記録した。

投資増の最大の牽引役はカザフスタンで、同国でのベンチャー投資額は2億900万ドルに達し、前年の2.9倍となった。投資額増加の最大の要因は、人工知能(AI)スタートアップであるヒッグスフィールドによる調達だ。プロダクトの販路拡大段階となるシリーズAラウンドで1億3,000万ドルを調達した。この金額は同国全体のベンチャー投資額の62.2%を占めた。カザフスタンのベンチャーキャピタル(VC)のMA7ベンチャーズの創業者であるムラト・アブドラフマノフ氏は、これによりヒッグスフィールドは世界水準の企業になっただけでなく、カザフスタンが世界的なテクノロジー企業を生み出せることを外国投資家に印象づける契機にもなったと評価した。

2024年と比べ、ベンチャー投資の内訳は企業の成長目的の投資に大きくシフトした。カザフスタンでは、シリーズAラウンドへの投資は2024年には全体の0.9%にすぎなかった。しかし、ヒッグスフィールドへの投資を除外しても、2025年にはシリーズA投資が全体の約3分の1を占める水準まで拡大した。

ウズベキスタンは、中央アジアでベンチャー投資額の増加率が最も高く、2024年比5.5倍の9,930万ドルに達した。このうち6,550万ドルはeコマースおよびフィンテック企業であるUzum向けだった。

報告書で課題として指摘されているのが、同国のベンチャー投資は依然として初期段階(プレシード、シード)に偏重している点だ。この理由についてウズベキスタンのベンチャーファンドであるSQBベンチャーズのティグラン・ベクムリン・ディレクターは、同国では初期段階のアイデアが非常に多い一方、大規模な資金調達に値する段階まで成長できる企業は限られると指摘する。

カザフスタン、ウズベキスタンではベンチャー資金調達の環境整備が進んでいる。2025年7月には、カザフスタンで地域初のベンチャー型ファンド・オブ・ファンズ(注)であるアレム・ベンチャーズ・ファンドが設立された。ウズベキスタンでは2025年に7つの新たな国内VCが市場に参入し、政府は2030年までにベンチャー投資額を現在の11倍超となる20億ドルまで拡大する計画だ(2026年1月29日記事参照)。

(注)企業に直接投資を行わず複数のファンドに投資するファンドのこと。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、カザフスタン)

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