英国政府、製造業向け電気料金軽減策の拡大を発表

(英国)

ロンドン発

2026年04月22日

英国政府は4月15日、電力消費量の多い製造業の電気料金を軽減する、英国産業競争力強化スキーム(BICS)を拡大すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同スキームは、2025年6月の産業戦略(2025年6月25日記事参照)で2027年から導入すると発表されていた。対象企業に対して、再生可能エネルギー購入義務(Renewables Obligation:RO)、固定価格買い取り制度(Feed-in Tariffs:FIT)、容量市場(Capacity Market:CM)の賦課金を免除し、電気料金負担の軽減を図るものだ。

英国政府によると、免除額はメガワット時(MWh)当たり約35~40ポンド(約7,525~8,600円、1ポンド=約215円)となる。今回の発表により、当初7,000社としていた対象企業数を1万社に拡大。さらに対象企業に対し、仮にBICSが2026年4月に開始されていた場合に受け取れた金額を、2027年4月に一時金として支給する。財源はエネルギーシステムの見直しと国庫で賄うため、家庭や支援対象外の企業のエネルギー料金は上昇しないとしている。

英国政府は翌4月16日、BICSの適用要件および方針に関する意見公募の回答を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本回答で示された主な方針は次のとおり。

  • BICSの適用を受けるには、対象業種に該当し、かつ対象製品を少なくとも1品目製造している必要がある。
  • 対象業種は、産業戦略における8つの成長産業外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに含まれるフロンティア産業か、フロンティア産業に不可欠な基礎産業のいずれかに該当し、かつ電力集約度(electricity intensity、注1)が一定以上である必要がある(注2)。
  • 免除額は、製造拠点ごとに、使用電力量に占める対象製品の生産に関する使用電力量の比率に応じて決定される。同比率が25%未満の場合、免除は適用されない。同比率が25%以上、50%未満の場合、使用電力量の50%に対して賦課金が免除される。同比率が50%以上の場合、使用電力量の100%に対して賦課金が免除される。
  • ROとFITの賦課金免除は2027年4月から、CMの賦課金免除は2027年10月から適用される。

英国政府は同日、免除を実施するために必要な法令改正およびスキームの実施に関する意見公募外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを新たに開始した。関連の法令改正を行うことに加え、BICSが適用される最低使用電力量を年間3.5MWhとすることや、BICSの適用を企業登記局であるカンパニーズ・ハウスに登記された施設に限定すること。免除の適用期間を2年間とし、期間経過後は再審査を行うことなどが提案されている。意見は5月14日まで受け付ける。

(注1)電力消費量を粗付加価値(GVA)で除したもの。

(注2)これらの条件を満たした対象業種のSICコード、および対象製品のHSコードは、同回答の付属文書Aに記載されている。

(齊藤圭)

(英国)

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