四川省、長期介護保険制度を省全体で導入へ、高齢化対応の地域格差を是正
(中国)
成都発
2026年04月10日
中国の四川省政府は3月30日、「四川省長期介護保険制度の確立に関する実施プラン」(以下、同実施プラン)の政策説明会を開催し、同省民政庁や医療保障局など関連部門の関係者が2月12日に発表した同実施プランについて解説した。同実施プランは、3月25日に中国共産党中央委員会弁公庁および国務院弁公庁が発表した「長期介護保険制度の確立を加速することに関する意見」(2026年4月1日記事参照)において示された方針に沿い、要介護者の長期介護に関する基本的な保障ニーズの解決を推進することを目的にし、同省の実情を踏まえて省全体における同制度の構築に関する同実施プランを策定したとしている。主な解説内容は次のとおり。
- 同省における長期介護保険制度の加入対象範囲は、事業主およびその被雇用者、退職者、フリーランスなどの非定型就労者、ならびに都市・農村部の非就業者など。
- 保障対象者は、長期介護保険制度の開始段階では、規定に基づき加入および保険料を納付し、かつ重度の要介護状態が長期間継続している(一般的には6カ月以上)被保険者とし、申請および評価を経て条件を満たした場合、給付を受けることができる。今後は、国の統一的な方針に基づき、保障対象範囲を段階的に拡大していくものとする。
- 給付水準については、原則として自己負担の起付基準を設けず、保険基金の年間給付上限を一定範囲内に抑えた上で、給付率は、被保険者の加入区分に応じて50~70%程度とする(注)。在宅・地域介護サービス(デイサービス)の利用を奨励し、給付率において適切な優遇措置を講じるものとする。
四川省では、2017年に成都市が国家指定の試行都市として長期介護保険制度の試行を開始していた。今回の政策説明会で、同省医療保障局の彭波副局長は「わが省では、成都市で試行の展開状況を踏まえつつ、2026年に条件の整った地域で制度を開始し、2027年に省全域で導入し、さらに2028年までに、公平かつ適切、科学的で多層的長期介護保障体系を基本的に構築する」と表明した。また、彭副局長は、同省の長期介護保険制度の特徴について、次の点を挙げた。
- 保険料水準、給付水準、要介護認定基準などは相対的に統一を図り、地域間の制度差を縮小するとともに、将来的な省レベルでの一元的運営を見据えた制度設計を行っている。
- 長期介護保険制度の適用対象を基本医療保険加入者とし、就業者および未就業の都市・農村住民を一体的に制度の対象に組み入れている。
- 制度開始当年に加入した被保険者については、条件を満たせば当該年から給付を受けることが可能としている一方、継続加入を促すため、給付の待機期間を設けるなどの仕組みも導入している。
(注)給付金額については、全省で統一された最高支給基準が設定されている。未就業の都市・農村住民として加入する場合、重度1級要介護者は1人当たり月額900元(約2万700円、1元=約23円)。重度2級は同1,000元。重度3級は同1,100元。企業などに所属する被雇用者として加入する場合、重度1級要介護者は1人当たり月額1,300元。重度2級は同1,400元。重度3級は同1,500元。
(潘華臻)
(中国)
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