エジプト、4月は毎週日曜を在宅勤務日に、燃料などエネルギー輸入額急増に対応
(エジプト、中東)
カイロ発
2026年04月02日
中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格の高騰により、エジプトでは燃料・ガス輸入額が急増し、外貨準備高が減少する懸念が大きい。燃料節約のため、エジプト政府は3月28日、国家情報サービス(SIS)を通じて、4月の1カ月間は毎週日曜日を原則在宅勤務日とすると発表
した。在宅勤務導入の可能性については3月18日の発表で触れられていた(2026年3月23日記事参照)。政府機関と民間部門が在宅勤務の対象で、学校や大学、製造業、公共サービス、病院、水・ガス・下水処理施設などの基幹インフラは対象外だ。ムスタファ・マドブーリー首相は、新型コロナ感染拡大期に実施した制度と同様、各機関が業務特性に応じて運用すると述べた。
このほか、官庁街を午後6時に閉庁することや政府車両の燃料割当の一律30%削減、燃料消費の多い大規模国家プロジェクトを少なくとも2カ月間減速することを発表した。街路灯・広告照明の削減や商業施設の営業時間短縮(土曜~水曜は午後9時まで、木曜と金曜は午後10時まで、主要観光地は規制対象外)も盛り込まれた。
エジプトのエネルギー関連支出は急増している。エネルギー月次輸入額は、イスラエルと米国によるイランへの攻撃前の2026年1月は12億ドルだったが、2月に15億ドル、3月に25億ドルと、わずか2カ月で2倍超に拡大した。
天然ガスの輸入コストは、攻撃前は月間約5億6,000万ドルだったが、現在は16億5,000万ドル超となっている。原油価格は攻撃直後の政府試算では1バレル=105ドルを想定していたが、この発表の前日の終値は約112ドルだった。
ディーゼル燃料の国内消費量は1日当たり2万4,000トンだ。攻撃前の価格は1トン当たり約665ドルだったが、現在は約1,665ドルと約1,000ドル上昇した。1日当たり約2,400万ドル、1カ月当たり約7億5,000万ドルの負担増加となる。
マドブーリー首相は、エネルギー支出の拡大が続けば外貨を原材料や医薬品に回せなくなるため、消費抑制は避けられない状況で、経済活動や生産を損なわずに支出を抑えることを最優先に、必要な措置を段階的に導入するとした。
首相府公式フェイスブックの読者投稿欄には、再生可能エネルギーの早期拡大、関連設備の輸入関税撤廃を求める声が多い。
(西澤成世)
(エジプト、中東)
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