エジプト、エネルギー消費削減の緊急措置、イスラエルのガス供給停止による代替調達でガス輸入額急増

(エジプト、イスラエル、米国、イラン、中東)

カイロ発

2026年03月23日

エジプトのムスタファ・マドブーリー首相は3月18日、イスラエルと米国によるイランへの攻撃(2026年3月2日記事参照)に端を発する中東情勢に対応して、エネルギー消費を削減する緊急措置パッケージ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを実施する方針を明らかにした〔3月18日付国家情報サービス(SIS)〕。

同首相によると、3月28日から1カ月間、商店、ショッピングモール、レストラン、カフェの営業時間を午後9時までとし、金曜日は午後10時までとするほか、道路広告の照明を全面停止し、街路灯については安全基準を満たす限度まで照度を引き下げるとしている。

また、同首相は、イード・アル・フィトル(ラマダン明け祝祭)後、政府庁舎地区は毎日午後6時に閉庁し、すべての照明およびエネルギー関連設備を停止する。一部の政府機関においては、週1~2日の在宅勤務(リモートワーク)導入も検討していると説明した。

今後さらなるエネルギー消費抑制が必要と判断される場合には、危機管理委員会の勧告に基づき、在宅勤務の適用拡大も検討され得ると述べた。

エネルギー消費抑制策の背景には、地域紛争に伴うイスラエルからエジプトへの天然ガス供給停止と国際エネルギー価格急騰がもたらす燃料輸入額の急増がある(2025年12月22日記事参照)。3月14日付国営メディアの「アハラム・オンライン(ahram online)」は、イスラエル沖の複数ガス田の閉鎖によりエジプト向けガス輸出が一時的に停止したためエジプトが高コストの液化天然ガス(LNG)緊急調達に動いたと報じている。

エジプトの天然ガスの月間輸入額は、イスラエルと米国によるイランへの攻撃前の5億6,000万ドルから16億5,000万ドルへと約11億ドル増加したという。

(西澤成世)

(エジプト、イスラエル、米国、イラン、中東)

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