内モンゴル自治区、「自貿区」設置で国内外と貿易・投資・物流などの協力強化
(中国、モンゴル、ロシア)
北京発
2026年04月16日
中国国務院は4月5日、「中国(内モンゴル)自由貿易試験区総体プラン
」を発表した(中国政府網への掲載日は4月9日)。同「自貿区」の設置は党中央および国務院による重大な決定で、高い基準と質をもって建設するために本プランを策定したとしている。また、本自貿区を新時代の改革開放の新たな拠点とし、内モンゴル自治区の質の高い経済発展を後押しするとともに、「模範自治区」の全方位的建設を支援するとした(注1)。
プランでは、内モンゴル自治区が中国8省・自治区と接続するとともに北京市近郊に位置していること(注2)、また、国外ではロシア、モンゴルと接しユーラシアに通じるという立地上の優位性を発揮し、「一帯一路」および中国・モンゴル・ロシア経済回廊(注3)の共同建設に深く参画するとした(注4)。
同自貿区は総面積119.74平方キロメートルで、3地区に分かれている(注5)。フフホト地区は、新エネルギー、新素材、バイオ医薬、次世代情報技術などの戦略的新興産業およびグリーン農畜産物加工、乳業などの特色ある産業を重点的に発展させるとした。また、物流、デジタル経済、科学技術サービス、展示会、文化観光などの現代サービス業を積極的に育成し、北方に向けた開放における重要な橋頭堡(ほ)となる中核ハブおよび特色ある産業の質の高い発展を図るイノベーション集積区を構築する。満洲里地区は、輸入資源の現地加工、越境観光、越境金融、国境検問所サービスなどの特色ある産業を重点的に発展させるとした。北東アジアおよび欧州につながる窓口として、同地区では中国・ロシア・モンゴル間の開放協力のプラットフォームを構築する。エレンホト(二連浩特)地区は、国際貿易、国際物流、越境観光、国際医療などの特色ある産業を重点的に発展させ、中国・モンゴル・ロシア経済回廊の重要なハブとして、周辺国との友好協力のモデルケースを構築するとした。
プランでは、7分野19項目の主要任務・措置を掲げた(詳細は添付資料表参照)。
国務院新聞弁公室は4月10日、本自貿区設置に関して記者会見を実施した。会見で商務部の袁暁明部長助理は、内モンゴルは風力発電、太陽光発電、石炭などのエネルギー資源に強みを有しており、本自貿区の設置により、伝統産業のグレードアップや新興産業のイノベーション、未来産業の基盤強化を推進し、内モンゴルの特色と強みを備えた現代的な産業体系を構築していくとした。
(注1)中国の自由貿易試験区は本自貿区の設置で23カ所となった。自由貿易試験区についてはジェトロ制度情報「中国 外資に関する奨励」ならびに「中国 外資に関する奨励 各種優遇措置 詳細」を参照。
(注2)黒龍江省、吉林省、遼寧省、河北省、山西省、陝西省、甘粛省、寧夏回族自治区の8省・自治区と隣接している。
(注3)中国・モンゴル・ロシア間で、貿易の増加、製品競争力の強化、国境物流の円滑化、インフラ整備などを通じて協力を強化するもの。
(注4)プランでは、隣接する省・自治区やロシア・モンゴルとの接続に向け、具体的には情報交流センター、交通物流センター、資源分配センター、重点分野科学技術イノベーションセンター、産業協力センターの建設に注力するとされている。
(注5)フフホト地区は76.28平方キロメートル(うち、フフホト総合保税区は0.88平方キロメートル)、満州里地区は25.11平方キロメートル(うち、満州里総合保税区は1.44平方キロメートル)、エレンホト地区は18.35平方キロメートル。
(亀山達也)
(中国、モンゴル、ロシア)
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