タイ、ロシアからの肥料輸入交渉を含む緊急対策を発表

(タイ、ロシア、中東)

バンコク発

2026年04月13日

タイ農業協同組合省は4月9日、ロシアからの肥料輸入交渉を含む緊急対策を発表した。

緊急対策は、スリヤ・ジュンルンルアンキット農業協同組合相が、タイの肥料メーカー6社との会合を行った後に発表された。会合では、6社が所有する輸送船3隻がホルムズ海峡に停泊し、約25万トンの肥料を積載して、輸送待ちの状態と報告された。国内在庫は90万トンの備蓄があり、需要を満たすのに十分との見通しを示した。

しかし、5月の生産期に十分な供給を確保するため、さらに100万トンを輸入予定とした。「バンコク・ポスト」紙(4月9日付)によると、同相はソンクラーン期間(4月12~15日)中にロシアを訪問し、最大200万トンの輸入確保に向けて供給業者との交渉を行う予定。また同相は今後、農家の債務を3年間猶予する政策を表明している。

タマサート大学のウォラパット・ワチリヤゴーン准教授は、タイが肥料の40%以上をホルムズ海峡経由で輸入しており、すでに肥料価格が1袋600バーツ(約3,000円、1バーツ=約5.0円)から2,000バーツへ上昇していると指摘した。調達先の多元化や備蓄在庫の適切な管理などを実施しなければ、国民の食費上昇も避けられないと警告する(「タイ・パブリカ」紙4月7日)。また、UNCTADも中東からの肥料依存度が高い国にタイを挙げている(2026年3月12日記事参照)。

同相は、肥料価格の上昇について、意図的な買い占めが一因となっていると述べ、「買い占めに関係するグループを特定し、法的措置を講じる準備を進めている。ロシアからの200万トンの輸入を合わせることで、市場は均衡状態に戻る」としている(「ネーション」紙4月9日)。

また、会合に参加したタイの肥料メーカーからは、「肥料価格は値上げせず、他の肥料製剤も不足していないことを確認済み(チアタイ公社)、供給業者と交渉する良い機会があり、肥料原料の輸入が円滑化されれば、価格引き下げにつながる可能性がある(バイキング肥料)」といったコメントが出ている。

(藪恭兵)

(タイ、ロシア、中東)

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