ジェトロとJH2A、水素・再エネ分野のミッションを派遣
(スペイン、日本)
海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課
2026年04月09日
ジェトロは3月9~10日、水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)と、マドリードおよびセビリアへ水素・再エネ分野のミッションを派遣した(協力:在日スペイン大使館)。素材製造企業、エンジニアリング企業、機器製造企業など日本企業14社から17人が参加した。同ミッションは欧州水素エネルギー会議(EHEC)2026開催に合わせて実施した(2026年3月19日記事参照)。
スペインは欧州の中でも再生可能エネルギー(再エネ)の導入が先行しており、水素分野でも国家戦略の下でプロジェクトが急速に拡大している。政府、研究機関、企業が強固に連携し、水素の製造・輸送・利活用の各分野で実証が進むなど、日本企業にとって協業可能性の高い市場として注目されている。
初日はエネルギー多様化・省エネルギー研究所(IDAE)を訪問し、水素ロードマップおよび政策動向について説明を受けた。2024年に作成された国家エネルギー・気候計画(PNEIC)(注)では水素が重点分野とされ、2030年のグリーン水電解装置容量目標は4ギガワット(GW、2020年時点)から12GW(2023年時点)へと大幅に引き上げられた。スペインが欧州におけるグリーン水素製造の主導的地位を確立する強い意志が示されている。また、EU復興基金(「次世代のEU」)の下で、再エネ・再生可能水素・エネルギー貯蔵分野の戦略的復興・変革プロジェクト(PERTE-ERHA)が展開され、水素バレー支援などの補助金制度が整備されていることが紹介された。
IDAE内にて水素政策の説明を受ける参加者(ジェトロ撮影)
2日目はセビリアに移動し、ウエルバに事業拠点を置くエネルギー大手モエベ(旧セプサ)を訪問した。同社は「アンダルシア・グリーン水素バレー」構想の中核企業として、水素製造・供給インフラ整備を主導している。モエベ担当者からは、石油・ガス上流資産や液化石油ガス(LPG)事業の売却を進め、「もはや後戻りはできない」という強い意志の下、グリーンエネルギー企業への転換を加速していることが説明された。
モエベの説明に耳を傾ける参加者(ジェトロ撮影)
そのほか、ウエルバ港やプロトン交換膜(PEM)型水電解装置を製造するH2B2を訪問した。H2B2ではスタック組み立て工程を視察した。
参加企業からは、「脱炭素の停滞が報じられることが多いが、スペインでは政府支援の下で大型プロジェクトが着実に進んでおり、現地を訪れて初めてその力強い動きを実感した」などの声が寄せられた。
(注)EU加盟各国が策定するEUの気候変動目標達成に向けた計画で、温室効果ガス(GHG)排出削減など2030年目標達成に向けた具体策を定めたもの。英語ではNECP。
(塚本明莉、古川祐)
(スペイン、日本)
ビジネス短信 91397f59a13290b9





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