米国の仲介でイスラエルとレバノンが和平に向けて協議

(米国、イスラエル、レバノン、イラン、中東)

テルアビブ発

2026年04月15日

米国務省は4月14日、米国、イスラエル、レバノンによる政府間協議をワシントンで開催したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。協議には、マルコ・ルビオ米国務長官、イェヒエル・ライター駐米イスラエル大使、ナダ・ハマデ・モアワド駐米レバノン大使らが出席した。米国務省によると、本会合は1993年以来となるイスラエル、レバノン両国政府間の主要な高官級協議であり、長年敵対関係にあった両国が正式な和平プロセスに向けた枠組みづくりに踏み出した点で歴史的意義を持つとしている。

米国務省によると、協議では直接交渉開始に向けた具体的なステップについて生産的な議論が行われたという。米国は、レバノン政府による武力の独占回復とイランの影響力排除を支持するとともに、交渉が2024年11月のイスラエル・レバノン間の敵対行為停止合意(2024年11月27日記事参照)を超え、包括的和平につながることへの期待を示した。また、交渉の進展がレバノンの復興支援や経済回復、投資機会の拡大につながる可能性にも言及した。

イスラエル側は、レバノンにおける全ての非国家武装勢力の武装解除とテロ基盤の解体を支持し、直接交渉によって未解決の諸問題を解決して、「持続的な平和」を実現する意思を表明した。レバノン側は、敵対行為停止の完全履行を緊急課題と位置付け、領土の一体性、完全な国家主権、停戦と人道危機の緩和を求めた。

これと関連し、レバノンのユセフ・ラッジ外務・移民相は4月13日に自身のX(旧Twitter)への投稿で、「レバノンはイスラエルとの直接交渉を通じて停戦を目指している。この新たな交渉トラックは、実際にはレバノンの問題とイランのトラックを切り離すことを促すことになる」と強調した。

画像 イスラエルとの直接交渉に関するレバノンのラッジ外務・移民相のコメント画面〔X(旧Twitter)のラッジ外務・移民相の公式アカウントより〕

イスラエルとの直接交渉に関するレバノンのラッジ外務・移民相のコメント画面〔X(旧Twitter)のラッジ外務・移民相の公式アカウントより〕

ルビオ国務長官は協議開始前に記者団に対し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、米国の関与は単なる停戦仲介ではないとの立場を強調。同長官は、今回の協議の核心について「過去20~30年にわたるヒズボラの影響に終止符を打つこと」であり、「これは一日限りの出来事ではなく、時間を要するプロセスだ」と述べた。

今回の協議は、イスラエルとレバノン南部を拠点とするヒズボラとの戦闘が激化する中で実施された。4月8日(中東現地時間)には米国とイランとの一時的な停戦が成立したが(2026年4月8日記事参照)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの停戦にレバノンは含まれないとの立場を維持している。イスラエルはヒズボラへの攻撃を継続しているが、一方でネタニヤフ首相は、レバノンとの直接交渉を可能な限り早期に開始するよう内閣に指示していた(2026年4月10日記事参照)。

イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。

(中溝丘)

(米国、イスラエル、レバノン、イラン、中東)

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