インドネシア、財政赤字上限は維持、原油高とルピア安を懸念
(インドネシア)
ジャカルタ発
2026年04月01日
インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は3月13日、2026年の財政赤字の上限をGDP比3%で維持する方針を示した。地元誌「コンパス」が3月16日付で報じた。昨今の中東情勢の悪化に伴う原油価格の上昇を背景に、財政赤字拡大への懸念が指摘される中、同大統領はコロナ禍以来の上限見直しに慎重な姿勢を示している。
インドネシアでは1997年のアジア通貨危機を経て、国家財政法(法律2003年第17号)により財政赤字の上限をGDP比3%と定めており(2026年2月27日記事参照)、同大統領の発言はこの財政規律を重視する姿勢を改めて確認するもの。この10年間の実績では、コロナ禍における例外措置が適用された2020年と2021年の2年間を除き、3%以内に抑えられてきた。
インドネシアは原油および石油製品の純輸入国であり、2024年の純輸入量(輸入量-輸出量)は原油が約1,300万トン、石油製品が約2,900万トンに達している(添付資料図参照)。また、国民のガソリン購入などへの負担軽減を目的として、2026年予算において約210兆ルピア(約1兆8,900億円、1ルピア=約0.009円)の燃料補助金を計上している。
こうした中、2026年予算において、政府は財政赤字をGDP比2.68%と想定しているが、これは原油価格1バレル当たり70ドル、為替レート1ドル=1万6,500ルピアを前提としたものだ。プルバヤ・ユディ・サデワ財務相は、原油価格が1バレル当たり92ドルに達した場合、2026年の財政赤字がGDP比で約3.6%まで拡大する可能性があると述べたほか(3月7日付「コンパス」)、スシウィジョノ・ムギアルソ経済担当調整府次官は、原油価格が1バレル当たり1ドル上昇するごとに、約6兆7,000億ルピアの財政赤字が発生するとの見解を示している(3月5日付「テンポ」)。
直近では、原油価格の上昇に加えて対ドルでのルピア安も進行しており、3月16日には1ドル=1万6,990ルピアを記録するなど、1万7,000ルピアに迫る水準となっている。こうした通貨安は、エネルギー輸入をはじめとする調達コストの押し上げにつながる可能性があり、さらなる財政赤字への影響が懸念される。
(山田研司)
(インドネシア)
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