英政府、英・EU間SPS協定の移行期間について明言せず

(英国、EU)

ロンドン発

2026年04月22日

英国下院の環境・食料・農村地域委員会は4月17日、同委員会が2月に発表した英国・EU間衛生植物検疫措置(SPS)協定に関する報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに対する政府回答を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。SPS協定によって、英国の食品関連規制の多くがEU規則に準拠することになると見込まれている。同委員会は、英国の高い動物福祉基準や英国が先進性を有するゲノム編集などを用いた精密育種技術の市場投入手続きについて、EU準拠の「例外」を求めるとともに、SPS協定には少なくとも24カ月の移行期間を設けるべきとしていた(2026年3月11日記事参照)。

しかし政府回答では、「例外」の確保については肯定的に回答する一方で、24カ月の移行期間については、「新たなSPS協定は2027年半ばに発効する予定である」とし、「一部の企業は新たな制度への適応に時間を要すると認識しており、円滑な移行を確保するために引き続き協力していく」と述べるにとどめ、移行期間の設定についての明言を避けた。

環境・食料・農村地域委員長のアリスター・カーマイケル議員〔自由民主党(野党)〕は、「今後非常に大きな混乱を招きかねない変化に企業が適応するための移行期間を設けるべきとのわれわれの要請に対し、閣僚がこれに同意しなかったのは残念だ」とコメントした。

EU離脱後に英国で認可された新規食品は無効に

食品業界誌「The Grocer」の同日の報道によれば、英国食品基準庁は、新規食品(Novel Foods)を申請中の企業に対し、「審査段階にある申請の相当数が、EU規則への回帰前に承認に至らない可能性がある」「EU規則との動的整合が行われた場合、規制対象となる食品・飼料製品を市場に投入するためにはEUの認可が必要になる」と警告する通知を発出している。申請中の新規食品だけでなく、EU離脱後に英国で認可された新規食品も無効になるとみられる。

(林伸光)

(英国、EU)

ビジネス短信 737980c96824b96f