英政府、EUとのSPS協定に向けて企業に準備を要請
(英国、EU)
ロンドン発
2026年03月11日
英国政府は3月9日、2026年後半の締結を目指しているEUとの衛生植物検疫措置(SPS)協定(2025年11月25日記事参照)についてプレスリリース
を発表し、EU規則への準拠により影響が見込まれる分野や具体的な規則を示し、企業に対しては、業界団体との連携や英国政府のメールアラートへの登録などの準備を要請した。また、2026年5月以降、企業向けにEUとの相違がある規則について詳細なガイダンスを公表するとし、企業がどのような情報を必要としているか把握するため、情報提供要請
を開始した(4月23日締め切り)。英国政府は、2027年半ばの協定発効を目指している。
英国政府の発表によれば、EUとのSPS協定は、次の分野を対象としている。
- 植物、動物およびそれらの製品の貿易、生産および移動
- 食品および飼料の安全性
- 食品サプリメント、栄養強化食品、特定グループ向け食品、栄養および健康強調表示などの幅広い栄養関連分野
- 食品表示、有機、主要な農産食品の流通規格および成分規格に関連するより広範な農産食品規則
- 農薬および殺生物剤の規則
議会・業界団体が指摘するリスクと懸念点
EUとのSPS協定が締結されれば、動植物検疫に係る証明書や検査に要するコストの削減が見込まれる一方、EU規則への準拠に伴うリスクや懸念を指摘する声も上がっている。
英国下院の環境・食料・農村地域委員会は2月5日、SPS協定に関する報告書
を公表し、英国の高い動物福祉基準を維持すること、英国が先進性を有するゲノム編集などを用いた精密育種技術の市場投入手続きを維持すること、英国の農業生産条件を考慮した農薬基準を求めることなどを政府に求めた。また、業界が円滑に対応するために少なくとも24カ月の移行期間を設けるべきとした。
英国食品飲料連盟(FDF)も2月16日、「10の重要優先事項」を発表
し、規制変更に関する早期の明確化、十分な移行期間の確保、将来的に英国企業に影響を与える決定について業界の意見が反映されることを確保することなどを求めている。
(林伸光)
(英国、EU)
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