スロバキア政府、軽油輸出制限を解除、石油危機宣言は維持

(スロバキア、中東、ウクライナ、ロシア)

プラハ発

2026年04月13日

スロバキア政府は4月8日、米国とイランの2週間の停戦合意による原油先物価格の下落、および本年2月に国家備蓄から国内最大の原油精製会社スラブナフトへ供給された原油の全量返還などの現状を踏まえ、3月18日付で発令した石油危機措置(2026年3月25日記事参照)のうち軽油輸出制限を解除した。

スロバキアは、ウクライナ経由のロシア産原油の「ドルジバ・パイプライン」稼働停止への対策として、他のルートからの原油供給を受けている。ロベルト・フィツォ首相によると、現在国家の原油備蓄量は国内消費の90日分で、最大の状態にある。

同首相は、軽油輸出解禁に関して、原油輸入相手国やスラブナフトとの協議の結果決定したものと説明し、「輸出制限撤廃により国内市場が脅かされることはなく、燃料の十分な確保が可能であることが保証された」と述べた。

一方、軽油輸出制限以外の石油危機措置である、自動車用軽油の消費制限や外国車両への特別価格適用は、石油危機宣言とともに引き続き維持される。同首相は、「(米国とイランの)停戦は不安定で、合意違反の可能性も考慮しなければならない。そのため、スロバキア政府は石油危機宣言を維持する」と強調している。

同首相は国内の燃料価格に関して、「われわれの戦略は、V4諸国(注)にオーストリアを加えた近隣諸国における軽油とガソリンの価格競争力を維持することだ。現在、スロバキアの軽油価格は最低水準にある」とコメントした。デニサ・サコバー経済相によると、中東情勢により燃料価格は欧州全体で平均48セント高騰したのに対して、スロバキアでは10~15セントの上昇にとどまっている。同相は、「現在、スロバキアの平均軽油価格は1リットル当たり約1.67ユーロで、チェコ、ポーランド、オーストリアにおける価格を大幅に下回っている」と指摘している。

また同首相は今後の方針に関して、スロバキア政府は引き続き「ドルジバ・パイプライン」の早期復旧を求めるとする一方で、石油危機状況が悪化した場合には、一時的な鉄道運賃引き下げなどの即時対策を講じる用意があると強調した。

(注)ビシェグラード4カ国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)を指す。

(中川圭子)

(スロバキア、中東、ウクライナ、ロシア)

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