英政府、中国・明陽の風力タービン使用を不支持と決定

(英国、中国、デンマーク)

ロンドン発

2026年04月24日

英国政府は3月25日、中国企業の明陽智慧能源(Mingyang Smart Energy、以下「明陽」)の洋上風力タービンについて、英国の領海およびエネルギーシステムでの使用を支持しないと決定。マイケル・シャンクス・エネルギー担当国務相が翌26日に見解を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。しかし、「われわれは国益にかなう限り、中国からの投資を歓迎する。年初のキア・スターマー首相の北京訪問中に発表された大規模な対英投資(注)が示すとおりだ」とも言及した。

下院議員でビジネス・貿易委員会のリアム・バーン委員長は、今回の決定を歓迎するとして「中国が経済的威圧という手段に頻繁に訴えている不安定な世界で、新たな依存関係を生み出すかたちで、エネルギー供給網のコントロールを手放すことはできない」と発言、「われわれの経済安全保障レビューでも、戦略的分野での中国への過度な依存が、英国を強制、混乱、不公正な競争にさらすと繰り返し警告してきた」と指摘した。

明陽は2025年10月10日に、スコットランド北東部アーダージア港に15億ポンド(約3,225億円、1ポンド=約215円)を投じる、英国国内および輸出向けの洋上風力タービン工場の建設計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。1月27日付BBCによると、明陽の関係者は「残された唯一の障害は英国の国家安全保障審査」と述べていた。しかし、今回の政府発表を受け、工場建設が危ぶまれる状況となった。

中国商務部の報道官は4月14日、「英国側の『国家安全保障』を理由とした風力発電プロジェクトからの中国製品排除は市場理念に反する」「両国間の経済・貿易協力に悪影響を及ぼすもので、中国側はこれに断固反対する」とコメントした。

デンマーク・ベスタスは工場建設を発表

他方、デンマーク企業のベスタス・ウインド・システムズ(Vestas Wind Systems)は3月25日、スコットランドに2億5,000万ポンドを投資し、洋上風力タービンの中核部品(ナセルとハブ)の生産工場建設計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同発表は、英国政府が洋上風力発電入札第7ラウンド(AR7、2026年1月22日記事参照)において過去最大の発電量を確保したことや、英国での受注増、英国政府やスコットランド自治政府との協議を受けたもの。最終的な投資決定は、第7・第8ラウンドでの受注確保にかかっているとした。

(注)1月30日付英国政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、エンターテインメント会社・ポップ・マート(POP MART)の欧州統括拠点設立、自動車メーカー・奇瑞汽車(Chery)の欧州本社設立、エネルギー貯蔵の厦門海辰儲能科技(Hithium)による直接投資、ライフサイエンス分野の凱莱英医薬(Asymchem)による追加投資が含まれる。

(森詩織)

(英国、中国、デンマーク)

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