輸出統計細分の見直し、農水省が意見を公募

(日本)

農林水産食品部市場開拓課

2026年04月24日

2025年度の日本の農林水産物・食品の輸出額は1兆7,000億円を超え、13年連続で過去最高を更新した(2026年4月21日記事参照)。一方で、2030年までに5兆円目標を達成するためには、農林水産物・食品の輸出拡大を抜本的にペースアップすることが不可欠だ。このような中、日本の農林水産省では輸出実績の把握が必要な品目を特定し、2027年の輸出統計品目表改正に向けた検討を進めている(注1)。これに合わせて、2026年4月15日から5月14日まで、統計品目の新設・見直しに関する国民からの意見・要望を募集している(注2)。

貿易統計は、日本の輸出入貨物について金額・数量を、品目別、国・地域別に把握でき、農林水産省の輸出政策立案の基礎となっている。一方で、現行の統計細分では、海外市場で需要の高まっているパックご飯や即席みそ汁などについて、品目別の詳細な輸出実績を把握できないとの課題が指摘されている。

同省の検討会事務局案によると、新たに統計細分を要望する品目として、(1)牡蠣(カキ)の剥(む)き身、(2)ロングライフ牛乳、(3)冷凍食品、(4)包装米飯、(5)ゆず果汁、(6)めんつゆ・出汁醤油(だしじょうゆ)など、(7)即席みそ汁・出汁入り味噌(みそ)、(8)アイスクリーム、(9)炭酸飲料が挙げられている(注3)。

関係者からは、輸出統計細分の新設に期待する声も上がっている。食品メーカーからは「統計細分が新設されれば、仕向け地別の正確な輸出量・マーケットシェアを把握できるため戦略的な判断につながる」との指摘がある。また、業界団体からも「関係事業者・自治体などの当該品目の輸出状況に対する関心も非常に高いため、現状では正式な輸出データが確認できないことは問題である」として統計細分の整備を求める意見が出ている。

同省では、今回の意見公募で寄せられた国民や関係事業者から意見・要望を踏まえ、2027年の輸出統計品目表改正要望の検討に活用する方針だ。

(注1)輸出統計品目表(HSコード)は、貿易商品を分類する世界共通の6桁コード(Harmonized System Code)。日本では9桁に細分され、関税率の適用、原産地規則の特定、輸出規制、貿易統計の確認などに使用される。

(注2)詳細については、農林水産省「農林水産物・食品の輸出統計細分の令和9年改正要望に関する御意見・御要望の募集について外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照のこと。

(注3)同新設要望の品目については、今後の精査により変更があり得る。(3)冷凍食品は、該当する細分から「冷凍したもの」を切り出すことを想定している。また、検討会の詳細については、農林水産省「農林水産物・食品の輸出統計細分の令和9年改正要望に向けた検討会説明資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を参照のこと。

(庄田幸生)

(日本)

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