ブラジル政府、トラック運転手団体と中東情勢悪化によるストライキ回避で合意

(ブラジル、中東)

サンパウロ発

2026年04月01日

ブラジル連邦政府は3月25日、中東情勢の悪化に伴うディーゼル価格高騰を背景にストライキを計画していたトラック運転手の業界団体と協議し、ストライキを見送ることで合意した。ギレルミ・ボウロス大統領府官房長官が、全国運輸・物流労働者連合(CNTTL)および全国自営輸送業者連合(CNTA)などの代表と面談した。

連邦政府は3月12日、国内ディーゼル価格の抑制を目的に免税措置を導入した(2026年3月18日記事参照)。しかし、現地紙「フォーリャ」(3月17日付)によると、業界団体は同措置を不十分と判断し、ストライキの準備を進めていた。

これを受け、政府はトラック輸送料金の最低価格制度(注)の厳守を目的として、3月19日付の大統領暫定措置令(MP)第1,343号および3月24日付の国家陸運庁(ANTT)決議第6,077号および第6,078号を公布した。これらの法令により、トラック運転手の権利保護を強化し、ストライキの回避を図った。

最低価格制度は2018年以降実施されているが、業界団体によれば、同制度を順守しない輸送事業者や荷主企業が多く、個人トラック運転手が不利な立場に置かれてきたという。今回の法令により、これまで任意だった輸送契約の事前登録が義務化され、輸送実施前に不正を把握できる仕組みが導入された。

また、最低価格を順守しない場合、輸送事業者には事業停止、荷主企業には最大1,000万レアル(約3億400万円、1レアル=約30.4円)の罰金が科される。一方、個人トラック運転手は対象外とされている。

面談に出席したサンパウロ州サントス市トラック運転手組合のルシアーノ・サントス組合長は記者会見で、「政府はわれわれの声に耳を傾け、門戸を開いてくれた。暫定措置はすでに施行されている」と述べ、ストライキの可能性を排除した。

(注)最低価格制度は、2018年5月21~30日に実施されたディーゼル価格引き下げを求める大規模ストライキの解除を目的に、法律第13,703号により導入された。最低価格は燃料価格や貨物の特性などを基準に設定されている。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、中東)

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