トランプ関税還付が本格開始、米議員らは大手小売り各社に「消費者への還元」を要求
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月28日
米連邦最高裁が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税を違法と認定したことを受け、米国政府による総額1,660億ドル規模の還付を行う「統合通関管理・処理システム(CAPE)」の本格運用が4月20日から開始した(2026年4月21日記事参照)。これに合わせ、トランプ関税還付金の帰属先を巡る政治的圧力が強まっている。
スティーブン・ホースフォード議員(民主党、ネバダ州)を含む下院民主党議員15人は4月23日、ウォルマートやアマゾン、フェデックスといった主要小売・物流企業の最高経営責任者(CEO)宛てに公開書簡を送付
した。書簡では、不当に徴収された関税分を自社の利益とするのではなく、実際に高い価格を支払った消費者に直接還元するよう強く求めている。
米国税関・国境警備局(CBP)によるCAPEの運用開始に伴い、輸入業者は電子決済を通じて利息を含む還付金を受け取ることが可能になった。しかし、法的な還付対象はあくまでも輸入業者であり、消費者に返還する義務は現行法には存在しない。
ホースフォード議員は書簡の中で、「大手企業には、これらの(関税)負担を吸収する余力があり、その影響に耐えるリソースも備えている。私の関心は、これらの還付金が単なる企業の追加利益に終わらないようにすることにある。実際にコストを支払った人々(消費者)こそが、最優先されるべきだ」と主張した。
書簡では、還付金を消費者へ還元させるべく、2026年5月22日を期限として、価格転嫁の実態把握から値下げなどの具体的な実施計画、さらには役員報酬や自社株買いへの流用禁止に至るまでの詳細な回答を求めている。
対応は企業によって分かれている。コストコのロン・バクリスCEOは、関税還付金は「値下げや価値の提供」による還元を挙げ、ホーム・デポも「顧客の利益」を優先する姿勢を示したものの、両社とも直接的な返金には触れず、将来的な価格調整にとどめる備えだ。多くの企業が対応方針を保留にする中、消費者の間では不満の声が上がっており、直接的な返還を求める集団提訴が相次いでいる。
(樫葉さくら)
(米国)
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