オランダ政府、中東危機への対応、燃料税一律引き下げは見送り
(オランダ、中東)
アムステルダム発
2026年04月27日
オランダ政府は4月20日、議会宛て書簡において、現在の中東情勢に伴うエネルギー供給の不確実性や価格上昇がオランダ経済に与える影響について説明するとともに、エネルギーショックに備えた国内対応方針を示した。具体的には、今後状況がさらに悪化する可能性を踏まえ、家計および企業への影響緩和、エネルギー供給の安定確保、将来のショックに対する耐性強化を柱とする対策を講じる方針が示された。さらに、エネルギー市場の状況に応じた複数のシナリオを想定し、段階的に対応を強化する枠組みが提示された。
こうした政府方針の下、政府は燃料価格上昇への対応として、交通費の負担軽減につながる措置や、運輸業向けの自動車税の免除・減免などを導入した。低所得層のエネルギー費用を支援する基金の拡充や、住宅の省エネルギー化に向けた支援も併せて打ち出している。一方で、燃料税の一律引き下げは見送られており、対象を絞った支援を重視している。
燃料・石油分野における同国の特徴として、将来的に水素ハブとしての機能強化が進められているロッテルダム港(2026年2月3日記事参照)を拠点に、石油や液化天然ガス(LNG)の輸入・中継が行われている点が挙げられる。特に2022年以降、ロシア産ガスからの脱却が進む中でLNGの取扱量が増加しており、同港はEU域内へのエネルギー供給を支える拠点としての役割が高まっている。こうした供給体制の下、エネルギー価格の変動や供給不安は、石油精製や化学産業に加え、半導体製造装置メーカーに代表される製造業のコスト構造にも影響を及ぼす可能性がある。現時点でエネルギー供給要因による具体的な生産調整は確認されていないものの、今後の市場動向や政策対応が企業活動に与える影響が注目される。
(奥井浩平)
(オランダ、中東)
ビジネス短信 4ce176ad32a17414





閉じる