首都ハノイ市とクアンニン省をつなぐ、国内初の地域間高速鉄道が着工
(ベトナム)
ハノイ発
2026年04月20日
ベトナムのクアンニン省人民委員会と複合企業ビングループは4月12日、関係する各省・市人民委員会との協力の下、鉄道事業を手掛けるビングループ傘下のビンスピードが主導するハノイ市~クアンニン省を結ぶ地域間高速鉄道の建設プロジェクトの着工式を開催した。国内初の地域間高速鉄道となる(注1)。
着工式には、2026年4月7日付で就任したレ・ミン・フン首相(2026年4月8日記事参照)をはじめ、ファム・ミン・チン前首相、ビングループのファム・ニャット・ボン会長、中央省庁、関係省・市の人民委員長らが出席した。
ハノイ~クアンニン高速鉄道の全長は約120キロで、ハノイ市、バクニン省、ハイフォン市、クアンニン省を通過する。軌間は1,435ミリの標準軌で、最高時速は350キロに達するが、ハノイ区間のみ最高時速120キロとなる。ハノイ~クアンニン間の移動時間は、従来の2時間~2時間30分から約25~30分に短縮される見通しだ(注2)。
車両や情報・信号システムなどの設備には、ドイツのシーメンス・モビリティ製が採用される予定。総投資額は、土地収用費として国家予算から拠出される10兆2,700億ドン(約616億円、1ドン=約0.0060円)を除き、56億ドル超相当とされる。完成は2028年末を予定する。
鉄道全線には5駅が設置される計画で、始点のコーロア駅(ハノイ市)を出発し、ザービン(バクニン省)、ニンサー(ハイフォン市)、イエントゥ(クアンニン省)を通り、終点のハロン駅(クアンニン省)に至る。車両基地はハロン駅に設置される予定だ。
コーロア駅とハロン駅の周辺には、ビングループが手掛ける大規模都市開発計画「ビンホームズ・グローバルゲート・ハノイ」と「ビンホームズ・グローバルゲート・ハロン」がある(注3)。これらの開発と、鉄道整備が同時に進むことで、沿線地域の開発の加速や利便性の向上が期待される。
式典で、ビングループのグエン・ベト・クアン副会長兼最高経営責任者は「プロジェクトを通じてインフラ開発の発展や、ベトナム経済成長の促進、国民生活の質の向上に貢献したい」と決意を示した。
(注1)国内初の高速鉄道としては、2025年末にホーチミン市内のベンタイン~カンゾー区間の高速鉄道が着工している。同鉄道も、ビンスピードが手掛け、2028年第4四半期に完成の予定。なお、ビンスピードは南北高速鉄道の開発にも参画意欲を示していたが、上記2件の高速鉄道をはじめとする他のインフラプロジェクトなどを優先するため、2025年12月に南北高速鉄道からは撤退することを表明した。
(注2)最高速度ベースを基準にした理論値とみられる。実際の所要時間は、途中駅で停車や加減速などで長くなる可能性がある。
(注3)「ビンホームズ・グローバルゲート・ハノイ」は、ハノイ市北部のドンアン地区で開発されるプロジェクトで、2025年に開業した国際展示場ベトナム・エキシビジョン・センター(VEC)を中心に、高級住宅、商業施設などを備える。「ビンホームズ・グローバルゲート・ハロン」は、観光地として有名なハロン湾に隣接したエリアで、住宅、リゾート、ゴルフ場、公共施設を備えたスマートで環境に優しい「エコ都市」を目指すプロジェクト。
(グエン・ラン)
(ベトナム)
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