モンゴル、ザンダンシャタル首相が辞任、後任にオチラル国会議長

(モンゴル)

北京発

2026年04月27日

モンゴルの国家大会議(国会)は3月30日、ニャムソン・オチラル国会議長の新首相任命案を賛成多数で可決した。これにより、オチラル氏は国会議長を辞任し、第35代首相に就任した。

背景として、国家大会議の春期定例会が3月16日に開会したが、野党・民主党が議会をボイコットしたほか(注1)、与党・人民党内の対立(2025年12月11日記事参照)により反首相派も議会を欠席したため、国会の出席議員が定足数に到達せず、3月26日まで本会議を開けない状態が続いていた。

このため、ゴンボジャブ・ザンダンシャタル首相(当時)は3月27日、「石油製品の不足と価格高騰によって引き起こされた経済危機に直面している今、政治的空白が生まれることを回避する」と述べて、国会に辞表を提出し、同日、委員会審議を経て本会議で辞任が承認された。

就任演説でオチラル首相は、「自由化イニシアチブ:自由への4つの道と4つの解放政策」(注2)を掲げた。具体的には、第1の道:経済の解放(高金利負担からの解放、国営企業依存から民間セクター主導への変化、外国銀行参入による競争導入)、第2の道:法規制の解放(許認可制度の簡素化、官僚主義の縮小、電子化・AI行政への転換)、第3の道:グリーン開発による解放(エネルギー輸入依存からの脱却、再生可能エネルギー導入による大気汚染削減、遊牧民の新たな収入源創出)、第4の道:腐敗からの解放(不正資産の没収・透明化、データ駆動型行政への転換、腐敗認識指数の改善と信頼回復)を目指すとしている。

また、オチラル首相は4月3日、国会に閣僚名簿(添付資料表参照)を提出し、国会の承認を受けた。連立与党から国民の勇気・緑の党が離脱し、国民連合(注3)が加わり、3党・会派の連立内閣となった。首相を除く閣僚ポストは前内閣から変わらず19人で、人民党から16人、人間党(フン党)から2人、国民連合から1人が入閣した。前内閣からの留任は8人、閣内異動は2人、初入閣は4人、再入閣は5人。女性閣僚は1人、日本に留学経験がある閣僚は2人となった。

なお、後任の国会議長には、ザンダンシャタル前内閣で官房長官を務めていたサンダグ・ビャンバツォグト議員が就任した。

(注1)民主党はボイコットの理由として、オチラル議長は人民党の党首であり、複数政党制議会の議長が党首を兼任するのは不適切だと説明していた。

(注2)オチラル氏が国会議長時代の2025年12月に国会で提唱していた構想を、新内閣のイニシアチブとした。

(注3)国民連合は、緑の党(国民の勇気・緑の党とは別の党)と民族民主党の2党からなる会派で、2024年の総選挙に向けて同年1月に結成された。会派の代表は国会議員のニャムタイシル・ノムトイバヤル氏が務めており、2024年の総選挙では比例区で4議席を獲得した(2024年7月25日記事参照)。

(藤井一範)

(モンゴル)

ビジネス短信 3ce611e5cfc4e0aa