トランプ米政権、2027会計年度予算教書で保健福祉省の予算の大幅削減を提案
(米国)
ニューヨーク発
2026年04月15日
米国のトランプ政権は4月3日、2027会計年度(2026年10月~2027年9月)の予算教書を発表
した(2026年4月7日記事参照)。ライフサイエンス分野では、保健福祉省(HHS)の予算に、2026年度比12.5%減となる1,111億ドルを要求した。
削減の詳細は次のとおり。
- 国立衛生研究所(NIH):410億ドル(2026年度に比べて50億ドル減)、LGBTQ患者ケアや地球規模の健康課題に関する研究などを廃止。
- 医療研究品質庁(AHRQ):2億1,600万ドル(1億2,900万ドル減)、NIHと重複する研究の廃止。2024年9月以降、HHSの再編に伴い、職員数は50%以上減。
- 「多様性・公平性・包摂性(DEI)」に関連するプログラム廃止:マイノリティーの健康と健康格差に関する国立マイノリティー健康格差研究所(NIMHD)の完全廃止、グローバルヘルス研究を支援するNIHのフォガティ国際センターや代替医療を研究する国立補完統合医療センター(NCCIH)のDEI関連プログラムの廃止。
一方で、トランプ政権が掲げる「米国を再び健康に(MAHA)」の方針の下、複数の機関を統合する新たな連邦機関「健康な米国のための行政局(Administration for a Healthy America)」の創設など、栄養サービスへのアクセスを拡大するために1,900万ドルを計上した。
今回の予算教書では、主に研究開発を担う機関に対する予算の削減が提案された。米国科学振興協会(AAAS)のスディップ・パリク氏は、米国のイノベーション、繁栄、福祉の原動力である米国の科学の勢いを維持するため「われわれは議会に対し、2027会計年度の政府予算要求案で提案されている連邦研究開発予算の大幅な削減を拒否するよう強く要請する」との声明を発表した。
米国の連邦予算は、議会が予算案を提出し、大統領が署名することで成立する。だが近年は、党派間の対立が激しく、新会計年度が始まるまでに予算案を可決できないことが常態化している。また、2026年11月には中間選挙が控えているため、仮に民主党が上下両院ともに多数派となった場合には、新議会が発足する2027年1月まで予算案の可決を先送りする可能性もある。
(大垣ジャスミン)
(米国)
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