ロンドンで日英韓バイオAIフォーラム開催
(英国、日本、韓国)
ロンドン発
2026年04月16日
ジェトロは3月5~6日、ロンドンの王立協会で開催された「UK-Japan-Korea Bio-AI Open Innovation Forum 2026」に共催機関として参加した。キングス・カレッジ・ロンドンのケイ・チョウ精神医学・心理学・神経科学研究所(基礎・臨床神経科学部門)神経科学教授が主催した同フォーラムは、ライフサイエンスとデジタルAI(人工知能)を結集し、日本、英国、韓国の3カ国連携による研究開発(R&D)のエコシステム構築を目指すもので、各国の政府関係者やスタートアップ、製薬企業などが参加した。
初日の冒頭、ジェトロ・ロンドン事務所の由良英雄所長が来賓あいさつを述べ、日本で世界初となるiPS細胞由来の再生医療製品の実用化が承認(注)されたニュースを紹介し、日本のエコシステムが熱気に包まれていることを強調した。英国保健・ソーシャルケア省(DHSC)のチーフ・サイエンティフィック・アドバイザーであるルーシー・チャペル氏や、韓国保健福祉部(MOHW)のキム・ゴンフン保健産業政策部門ディレクターらも登壇し、3カ国間協力の重要性を訴えた。
政府間セッションでは、各国のライフサイエンス・AI関連の政策方向性が示された。英国ライフサイエンス局(OLS)のエグゼクティブ・チェアであるスティーブ・ベイツ氏は、国民医療サービス(NHS)のデータ基盤とAIを融合させる「TechBio」の推進を強調した。韓国科学技術情報通信部(MSIT)のソン・ジス副ディレクターは、国家主導によるAI専用GPU確保やバイオデータステーション構築などへ巨額投資を進める方針を示した。
日本側からは、ジェトロ・ロンドン事務所の蒲田亮平次長が登壇し、日本政府が掲げる17の戦略分野に基づくバイオ・創薬分野の議論の動向や、バイオエコノミー戦略に基づくジェトロの対日投資・協業連携事業の概要について説明した。また、日本が2025年12月に欧州の研究開発枠組み「Horizon Europe」への準参加に向けた大筋合意を発表したことにも触れ、いずれも準参加国となる日英韓を核とした、欧州との共同研究やビジネス連携の促進を呼びかけた(2025年12月26日記事参照)。
民間セッションでは、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の井上治久教授のほか、協和キリン、アステラス製薬、小野薬品工業、塩野義製薬の日本の大手製薬企業4社が登壇した。各社はスタートアップやアカデミアとの外部連携の強化や、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じた投資など、オープンイノベーションを積極的に推進している現状を紹介し、国際的な協業の拡大への期待を示した。
(注)2026年3月6日に、厚生労働省薬事審議会がiPS細胞を用いた再生医療2製品を期限付きで薬事承認した。iPS細胞製品の実用化は世界初(厚生労働大臣2月20日会見
)。
(村田真)
(英国、日本、韓国)
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