日本とEU、研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」への準参加で合意
(EU、日本)
調査部欧州課
2025年12月26日
日本政府は12月22日、欧州委員会との間で2024年12月から交渉を実施していたEUの研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」への日本の準参加に関する協定について、実質合意に至ったと発表した(日本側発表
、EU側発表
)。2026年中をめどに署名し、双方の最終的な承認を経て発効する。
「ホライズン・ヨーロッパ」
はEUの2021~2027年の研究開発支援枠組みで、予算規模は7カ年度で総額935億ユーロ。今回の合意は、第2の柱「グローバルな課題と産業競争力」への参画を対象とし、デジタルへの移行、食料安全保障、再生可能エネルギー(再エネ)など6分野(注1)が含まれる。署名に向けた移行措置により、日本の機関は2026年1月から、EUの2026年予算にひもづく公募に応募可能となる。
準参加(association)により、日本政府も資金を拠出し、日本の研究機関や企業は加盟国の機関と同等の条件での共同プロジェクトの遂行(プロジェクトの主導・調整、契約締結など)や資金調達(助成金の申請・受給など)が容易になる。これまでに英国、カナダ、エジプト、韓国など22カ国・地域(注2)が準参加国となっている。
欧州委が2025年7月に発表した2028年から2034年までの次期中期予算計画(MFF)案では、「ホライズン・ヨーロッパ」に現行MFFからほぼ倍増の1,753億ユーロを割り当て、研究開発予算の増額を求めている(2025年7月22日記事参照)。日本とEUは、7月に「日EU競争力アライアンス」の立ち上げで合意(2025年7月29日記事参照)するなどパートナーシップを強化している。茂木敏充外相は12月23日の記者会見で、「日本の産業競争力の強化、先端技術に関する国際標準やルール形成への参画につながる」との期待を示した。
(注1)(1)健康、(2)文化、創造性、包摂的な社会、(3)社会のための市民の安全、(4)デジタル、産業、宇宙、(5)気候、エネルギー、モビリティ、(6)食料、バイオエコノミー、資源、農業、環境、の6分野。
(注2)アルバニア、アルメニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カナダ、エジプト、フェロー諸島、ジョージア、アイスランド、イスラエル、韓国、コソボ、モルドバ、モンテネグロ、ニュージーランド、北マケドニア、ノルウェー、セルビア、スイス、トルコ、チュニジア、ウクライナ、英国。
(川嶋康子)
(EU、日本)
ビジネス短信 d7aee62ab32a254f




閉じる
